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♪DOUBLE VISION

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Double Vision / Bob James & David Sanborn

Maputo
More Than Friends
Moon Tune
Since I Feel For You
It's You
Never Enough
You Don't Know Me

キーボードのボブ・ジェームスとサックスのデヴィッド・サンボーンがコラボレーションした86年のアルバム。
フュージョンといえばなんとなく夏の音楽の印象が強いのはきっと個人的な偏見なんでしょうが、僕にとってこれは冬の音楽。
仕事もしばらくは平常運転、あったかいおふとんでずっと眠っていたいような気分の冬には、これくらい非エキサイティングでコンテンポラリーなまったり系がちょうどいい。
冬の朝の路上でコートを着て駅に向かう雑踏とか、凍える夜に大都会の上でぼんやりと光る月とか、明け方にタクシーが誰もいない交差点で停止した後信号が変わっておもむろに走り出していくシーンとか、そういうさりげない雰囲気の風景が見えてくるようなね、そういう穏やかな演奏。
舞台は都会、季節は冬だ。

バックを固めるのはベース:マーカス・ミラー、ドラムス:スティーヴ・ガッド、ギター:ポール・ジャクソン・Jr、エリック・ゲイル、パーカッション:ポウリーニョ・ダ・コスタ。一曲ゲスト・ヴォーカルでアル・ジャロウも参加している。
まぁ面子だけ見ても悪かろうはずはないのだが、テクニックのある連中というのは得てしてテクニックのひけらかし大会、テクニックのためのプレイに走りがちなことも往々にしてありがちなこと。でも、このレコードはそういうこれみよがしの演奏ではなくって、歌ゴコロがあるっていうかね、風景や物語が浮かぶ演奏っていうかね、普通こんな感じが気持ちいいでしょ的な機械的な気持ちよさではない、肌触り・温もり的な気持ちよさがある。あざとくロマンチックな感じを狙っていない、さりげない感じがいいのかな。
どんなものであれ、テクニックというものはとても重要だと思う。世界のひだやあやを自分が感じたとおりに細やかに表現するためにはテクニックはあったほうがいい。
どんなに楽しいことがあったとしてもそのことを上手く表現できなければ「今日はとても楽しかったです。また遊びたいです。」みたいな小学生の作文になってしまう。それじゃ誰も共感しない、何にも伝わらない。ただ、テクニックはあくまでも表現したい世界のために使われるべき、というのが僕の持論。表現したい世界が小学生の心理なのなら前例の作文で構わないし、「俺たちこんなに弾けるんだぜ。」なのならテクニックひけらかし大会であったって構わないのだけれど、そういうものは興味が湧かない、というか、一度聴いたら飽きちゃうよね(笑)。やっぱりどこかで普段はココロの奥にある感情とリンクして、なかなか名付けようのない感情に形を与えてくれるものや、聴くたび見るたび読むたびに違う発見を与えてくれるものが素晴らしい表現だと思うので、、、ハハハ、理屈っぽいね。まぁそういう意味でもこのレコードは好き。

日に日に冬の色が濃くなっていく、何がってわけじゃないけどどこかせっつかれてやり残した宿題を片付けなさいとお説教を食らうような気分がしてしまう年の瀬。
こーゆー穏やかなものでやり過ごすのがちょうどいい。
そういうちょうどよさの表現をバランスよくちょうどよくやることは、実は一番難しいことなんだよな、なんてこともぼんやり思いつつ。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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