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♪BROTHERS IN ARMS

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Brothers In Arms / Dire Straits

One World
Ride Across The River
Your Latest Trick
Why Worry
Money For Nothing
The Man's Too Strong
So Far Away
Walk Of Life
Brothers In Arms

ダイアーストレイツも秋に聴くのが心地よいバンドのひとつ。
デビュー作も、しみじみとしてドラマチックな「Making Movies」も大好きなんだけど、なんだかんだで一番聴く機会が多いのはやっぱりこの大ヒットアルバムだな。
頭からいかにも80年代っぽいビシバシとしたファンクなリズムの"One World"が来たかと思ったら続く"Ride Across The River "はグッと落ち着いたダイアー・ストレイツのテイスト。メロウなサックスがなんとも心地よい"Your Latest Trick"にカントリー調の"Walk Of Life"、淡々と渋い"So Far Away"、いい感じの曲が次々と鳴るラジオ・ステーションみたいなこのアルバム。
中でも特に大好きなのが、じんわりとしみる"Why Worry"です。

  この世界が君を悲しませているんだね
  ひどいことを言ったりしたりする奴等も中にはいるさ
  けど、その苦い涙を拭いてごらん
  君の青空をグレイにしてしまっている
  不安や怖れを
  僕がどこかへ追い払ってあげたい

ダイアーストレイツの魅力は、わびさびのある懐の広いリズム、塩カドがなく滋味あふれる歌、人の温もりを感じるマーク・ノップラーの指弾きプレイと絶妙の間。繊細でありつつ細々と趣向を凝らした技や曲の構成、などといろいろ挙げていくと、その称賛の形容がまるで和食や日本文化を誉める言葉に似ているな。
50も近くなると日常的に好むものはこういうさっぱりしつつ味わい深いものが多くなる(笑)。ほっこり落ち着きたい気分を求めることが増えるんだろうね。
それは多分、体力的に無理がききにくくなってくる実感することが増えてきたせいだ。自分の知っている自分は、あの辺までなら大丈夫、と思う、そのあの辺までに一歩届かない、ということが実感として少しずつ増えてきている。それに伴って増してくる漠然とした不安感が、まぁあると言えばある。ここまではまぁなんとか健康でやってこれた。文句言っちゃあ申し訳ないくらい、好きにさせてもらってきたし、楽しいこともたくさん経験することができた。けど、それっていつまで続くんだろう。ある時突然に、今の幸せを満たす要素を根こそぎ奪い取られてしまう日がくるんじゃないか、そういう漠然とした不安がね、いつもじゃないけどたまーに心に影を落とすことがあるのだ。
まぁ、心配したって仕方がないんだけど。
そのときはそのときできっと別の楽しみを見つけられる気もするし、今までの幸せを思い返すだけでもお釣りがくる気もするけれど。

マーク・ノップラーはこんなふうに歌っている。

  心配しないで
  悲しみの後には微笑が
  雨がやんだら陽射しが
  物事はいつもずっと変わっていくんだから
  心配しないで

物事はいつもずっと変わっていくのか。
これもわびさびの世界観だなぁ。
そんなふうに思えるようになれればいいけどね。
なんて少し弱気になっていろいろと振り返りたくなるのも、秋という季節のせいだろうか。
ハハハ、たぶん、きっと、そうだ。




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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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