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♪THE ALL TIME GREATEST HITS OF ROY ORBISON

グレイテスト・ヒッツ
The All Time Greatest Hits Of / Roy Orbison


Only The Lonely
Leah
In Dreams
Uptown
It's Over
Crying
Dream Baby
Blue Angel
Working For The Man
Candy Man
Running Scared
Falling
Love Hurts
Shadaroba
I'm Hurtin'
Mean Woman Blues
Pretty Paper
The Crowd
Blue Bayou
Oh, Pretty Woman

こないだまで寒かったのに、いきなりの春の陽気。桜もほぼ八分咲きのゴキゲンな春のウララカ。
のんびりと甘い気分で聴くのに心地よいのはこの方です。
ロイ・オービソンさんのことを初めて知ったのは、ブルース・スプリングスティーンの名曲“Thunderroad”の中の「淋しい人たちのために歌うロイ・オービソン」というフレーズ。それからジョン・レノンがインタビューで語っていた「“Starting Over”はロイ・オービソンみたいにほっぺたを中からなめるみたいにして歌ったんだ。」という言葉。
じゃあ聴いてみなくっちゃ、ってレコードを借りてはきたものの、やたら甘くてありゃりゃぁー?って感じだった、当時は。おもいっきり肩透かし。ビートは効いてないし、大げさなストリングスは入るし、え、全然ロックちゃうやん、と。
この甘甘が気持ちよく感じるようになってきたのは40を越してからだったなぁ。
なんていうんだろう、ただ甘いだけだと思っていた歌声の中にある密やかな哀しみに気がついたっていうかね。
辛いことやらしんどいこと、がっかりしたこと、悲しいこと、思うようにいかなくて悔しい思いをしたこと。そーゆーほろ苦さとか人生の機微みたいものを知るからこそ、優しさがわかるようになり、ほろ苦い中にある本当の甘さがわかるようになるものなのかもね、みたいな感じ。
聴いていると、なんだか泣き出しそうになっちゃうんですよね。
悲しいわけではない。
何かしらの感情が満たされて涙があふれてくる感じ。
うまく説明できないな(笑)。

  Only the lonely
  Know the way I feel tonight
  Only the lonely
  Know this feeling ain't right

    孤独な人だけが
    今夜の僕の気持ちをわかってくれるはず
    孤独な人だけが
    このどうしようもない気持ちを知っている
         (Only The Lonely)

ロイ・オービソンの歌う穏やかな愁いが、春の薄い水色の青空に吸い込まれていく。
ちょっとだけ慎ましくちょっとだけ儚げに咲いている若いソメイヨシノの薄いピンクがよく似合う。
ほのかな愁いとささやかな甘味がなんともくすぐったいようななんとも心地よいようなちょっとほわっとした気分。こんな気分を味わえることは、両手を上げて万歳という気分ではないけれど、ちょっとうれしいような悲しいような、なんとも素敵な感じがする。
それはきっと善きことだ。




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コメント

[C2522]

yuccalnaさん、こんにちは。
「プリティ・ウーマン」とか「ワーキン・フォー・ザ・マン」とか泥くさめの曲もいいし、「フォーリン」とか歌い上げ系の曲もいいし、うん、豊かな声ですよね。
この甘さ、豊かさは若い頃にはあんまりよくわからなかったです。
  • 2015-04-05 12:57
  • golden blue
  • URL
  • 編集

[C2521]

こんにちは。
ジョン・レノンもスプリングスティーンも「ロイ・オービソンの様に歌いたい」と憧れてた話は、随分と後になって知りました。トラベリング・ウェルベリーズにしても、他のメンバーは憧れの人との共演だったんでしょうね。と今になって思います。
オービソンと言えば、「プリティ・ウーマン」くらいしか知らなかったワタクシですが、ちょっと前にジョルジュ・ブーランジェのMy Prayerを歌ってるのを聴いて、その歌声の豊かさを再確認したところです。
  • 2015-04-04 18:39
  • yuccalina
  • URL
  • 編集

[C2518]

GAOHEIGⅡさん、ごぶさたしております。
ロイ・オービソン、春にはぴったりでしょ。
ゆるくてのどかでちょっとじんわりする感じ、一人でぼぉっと桜や空を見るにはうってつけです。
これからもぼちぼち、蔵出し紹介していきますよー。
  • 2015-04-01 22:35
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2517]

golden blue様 こんばんは

意識していなかったのですが
聴いてみると
確かにロイ・オービソンは春にぴったりですね。

買ったはいいけれども久しくほったらかしていたCDの出番が来た。
まさに蔵出し。

いい連載です。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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