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♪THE CLOVERS


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The Clovers / The Clovers

Love, Love, Love
Lovey Dovey
Yes, It's You
Ting-A-Ling
I Played The Fool
Hey Miss Fanny
Don't You Know I Love You
Middle Of The Night
Blue Velvet
Little Mama
Crawlin'
Here Goes A Fool
I Got My Eyes On You
Devil Or Angel

特に何にも聴きたいものがないなぁ、という気分のときに何となく流しておくのは、古いR&Bに限る。
なぜだろうか、なんとなく気分が落ち着くんですよね。
中でも40年代や50年代のものがこのところのお気に入り。
ディスク・ガイドなんかでロックのルーツを探ると、だいたいは「ビル・ヘイリーとヒズ・コメッツの“ロック・アラウンド・ザ・クロック”が最初のロックンロール」みたいな紹介がまるで「宇宙の始まりはビッグバン」と同じような感じで記されていて、それより以前について触れられていることが少ないのだけれど、このロックンロール創成期の頃のジャズ、ブルース、R&B、ゴスペル、カントリーといった音楽のそれぞれの関わりは実に興味深いものがありまして。
ドゥーワップと呼ばれる音楽もこのロックンロール創成期と密接な関わりがある音楽のひとつ。
そもそもを遡れば、アフリカから連れて来られた黒人奴隷たちが労働の合間に歌っていた黒人霊歌がルーツで、元々の文化である打楽器の演奏を禁じられた分、コーラスが発達していったのだそう。
20年代30年代にはバーバー・ショップなど黒人たちの社交の場で歌われるようになり、戦後、レコード吹き込みが商売として成り立つようになると、ストリートにたむろしていた少年たちが次々とグループを結成するようになっていった。貧しい少年たちにとってコーラス・グループは、楽器を買う必要も演奏を習得する必要もなかったからだ。
そういう意味では、ドゥーワップこそは若者たちによる最初のストリート・ムーヴメントであり、金も才能もない者たちが感情の表現を通じて成り上がるチャンスという点で、ロックンロールやパンクの先駆けだったともいえるかもしれない。

ザ・クローヴァーズは、ドゥーワップのムーヴメントを大きく発展させたグループのひとつ。
1946年にワシントンD.Cで結成され 、50年代の前半にはR&Bチャートでヒット曲を連発、ルース・ブラウンとともに創業されたばかりのアトランティック・レーベル黎明期の立役者のひとつとされているグループらしい。
このアルバムはそういった初期のアトランティックでのヒット曲をずらりと1ダース以上集めたもの。
大学生の頃に大好きだったアトランティックの40周年の7枚組のコンピレーションがあって、当時はそういったことはまるで興味なくただの古くさい音楽だとあんまり気にも留めていなかったのだけれど、この数年すっかり大好きになって、アトランティックの1000円再発シリーズにラインナップされてつい買ってしまった、という一枚です。
"Love, Love, Love"みたいな溌剌とリズミカルでポップないかにもドゥー・ワップっぽいナンバーや、"Blue Velvet"や"Devil Or Angel "といったスイートでロマンティックなコーラス・ワークはまさに絶品。
でも、それ以上に、"Lovey Dovey"とか、"Yes, It's You"といった曲にある、とてもブルージーなところが大好き。
コーラスだけじゃなく、ピアノやサックスやギターがとてもいなたくて、すごくブルースっぽいんですよね。
"Hey Miss Fanny"や"Little Mama"なんかは、ちょっとジャンプ・ブルースの雰囲気もあって、全体としてジャズもロックンロールもR&Bもまだ枝分かれしていなかった頃の黒人音楽の懐の深さが感じられるのです。

よく「ビートルズがいなければロックはなかった。」とか「エルヴィスが(もしくはチャック・ベリーが)ロックの元祖だ。」みたいな短絡的な物言いがあるけれど、この時代のR&Bやジャズに触れるとそうじゃないだろー、ということがよくわかる。
いつの時代にも音楽を通じてしか表現できないエネルギーやエモーションのカタマリみたいなものがあって、演る方も聴く方もそこに熱狂と癒しを求めていたんだってこと。今も昔もそんなに変わらない、人の暮らしや感情があったこと。60年70年の時を越えて当時の若者たちと気持ちを共有できる気がしてしまう、それってなんてすごいことなんだろうか、と。
そんなわけで、まだまだしばらく古い音探求にはまってしまいそうな今日この頃です。


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コメント

[C2584]

ひるのまりさん、こんばんは。
50年代のR&Bは落ち着きますよねー。
音があたたかいです。
ドゥ・ワップはアルバム通して聴くとちょっとダレるのですが、このクローヴァーズは別格でした。
ハッピーなものからスイートなものからブルージーなものまで、飽きずに聴きとおせて癒されます。

[C2580]

この手の音楽が一番落ち着きます
何回聞いても飽きないし 寝る前のBGMに
もってこいです♪

単純なようで深みがあると思います!
  • 2015-06-18 20:46
  • ひるのまり
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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