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♪NICOLETTE

Nicolette
Nicolette / Nicolette Larson


Lotta Love
Rhumba Girl
You Send Me
Can't Get Away from You
Mexican Divorce
Baby Don't You Do It
Give a Little
Angels Rejoiced
French Waltz
Come Early Mornin'
Last in Love

ようやく春らしい陽気の毎日。ちょっと汗ばむくらい。
春はこうでなくっちゃね。一年中こんなお天気だったらいいのになぁ(笑)。
さわやかで心地よい風とあたたかな陽射しを感じながら聴きたくなる音楽といえば、やっぱりアメリカ・西海岸モノで、中でも最高に心地よいのが、ニコレット・ラーソンさん。
70年代を通じて青春の甘酸っぱい夢とその終焉を歌ってきた西海岸のシーンの中で、その最後に咲いた可憐な花、という印象がこの人にはある。
エミルー・ハリスやリンダ・ロンシュタットのバック・コーラスをしながら、その屈託のない愛らしさでどんどん人脈を広げ、テッド・テンプルマンのプロデュースでファースト・アルバムを発表したのは、すでにパンクの嵐が吹き荒れディスコが幅を利かせていた1978年。
おそらく当時としてもオールド・スタイルの田舎くさい音楽だったと思う。
けど、この田舎くさいながら何とも清々しくて可憐な感じに、無条件降伏なのです(笑)。

フュージョン寄りのファンキーでクールな音で始まるLotta Love、このクールさはとてもニール・ヤングの作品とは思えない(笑)。間奏のフルートや、途中から入ってくるホーンや女性コーラスやストリングスがいいんだな。ゴージャスなアレンジなのに全然ゴテり感がないのが素敵。
2曲目、Rhumba Girlではぐいっとシャウトも交えながらファンキーなバックの上を自由に踊り、3曲目は一転、クールなエレピがいい感じのYou Send Me。これがもう、とっても心地よい。
4曲目はまたがらりと雰囲気を変えた軽快なロックナンバーのCan't Get Away From You。クレジットでは「?」と記されているエレキ・ギターは実はエディ・ヴァン・ヘイレンだったというのは有名になった話で、続く5曲目はしっとりとアコギとパン・フルートが綺麗なMexican Devoce。
B面に移ってBaby,Don't Do It。元歌はマーヴィン・ゲイらしいけど、ザ・バンド~リトル・フィート~ドゥービー・ブラザースを思い起こさせるようなぶりぶりのファンキーさからかっこよく始まって、パーカッションがクールなGive A Little、アコースティックでフォーキ―なAngels Rejoiced、ぎゅっとセンチメンタルなFrench Waltz、カントリーっぽさ全開のCome Early Mornig、そして壮麗なバラードのLast In Love、とこれまた名曲・名演のオン・パレード。

いろいろとバラエティに富んだ楽曲を器用に歌いこなすニコレットの歌は、飛び抜けて歌がうまいわけでも華があるわけでもないけれど、どこか純粋というか純真というかそういう感じの無垢な明るさにあふれている。
バックを支えるのは、ポール・バレアやフレッド・タケット、ビル・ペインといったリトル・フィートの残党たちに、ボビー・ラカインドやパトリック・シモンズ、マイケル・マクドナルドといったドゥービーズの面々を中心にしたメンバーだけど、演奏の中にもニコレットへの応援というか、惜しみないサポートというか、そういう類の愛情を感じることができるんだな。ニコレットも、そういう愛情をすっと素直に受け入れている、そんな善きエネルギーの双方向の循環がある。
普段はビシッと閉じられている心の奥の方の押入れみたいな場所までニコレットの歌は自然にすぅーっと真っ直ぐに入ってきて、いつの間にか明るい陽射しとさわやかな風を届けてくれる。頑なに閉じていたはずだったのにあらら、いつの間に、うーん、困ったな、でもまぁいいか、なんて気持ちにさせられてしまうのだ。
こういう春らしい陽気の日にさぁっと窓を開けて、隅々の溜まった埃を払うみたいな。
そして、やっぱり愛が大切、なんてことを素直に感じさせてくれる。

 It's gonna take a lotta love to change the way things are
 It's gonna take a lotta love or we won't get too far
 たくさんの愛が必要なのよ、物事を変えていくためには
 たくさんの愛が必要なのよ、でなけりゃずっと遠くへなんてたどりつけないわ
     (Lotta Love)

そう、愛がなけりゃずっと遠くへなんてたどりつけないのだ。

それにしても。
時代の風を真正面から受け止めた西海岸のヒップな若者たちが体現してきたのは、60年代末は自由のための闘いや革命への夢、そしてやがてそれが諦めとしらけに変わっていく70年代の孤独や絶望や無力感だった。
そんな彼らが、ロックの時代の一つの終わりに最後に咲かせた花が、こんなにも可憐で愛らしいものだったというのは、何とも言えずアイロニカルだという気がする。
けれど、一方で、それはそれでとても素敵なことだ、という気もする。
目指した場所とたどり着いた場所は違うのかもしれない。けど、人生とは得てしてそのようなもので、それと幸福はまた別のものなのかもしれない、などとわかったようなわからないような感想をそっと呟いておくことにする。



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コメント

[C2540] Re: かわいい女

deacon_blueさん、こんばんは。
個人的な思い出のある音楽は思い入れも深いですね。
ニコレットさん、若くしてお亡くなりになったのは残念な限りです。
年を重ねたときに、若い頃とは違う魅力的な歌を歌われたでしょうね。

  • 2015-04-28 23:29
  • goldenblue
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[C2539] 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

[C2538]

ひるのまりさん、こんにちは。
76年アメリカ建国200年以降でしょうか、どんどんアメリカっぽいのがかっこいいという感じになっていったのは当時小学生ながらそういう雰囲気を感じてました。
78年といえばアバやオリビア・ニュートン・ジョンあたりの全盛期でしょうか。このレコードが当時どれくらいの評判だったのかはよくわからないのですが、今も古びないいい音鳴ってますねー。

  • 2015-04-27 08:27
  • goldenblue
  • URL
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[C2537]

名盤さん、こんにちは。スーツ着てると暑いくらいです。
僕は完全に後聴きなのですが、70年代ウェストコースト・サウンド=ボズ・スキャッグスとかクリストファー・クロスとか、おしゃれなお姉さんかそういうお姉さんを口説きたい軟派なお兄さんの音楽、というイメージで敬遠してました(笑)。
ソウルもカントリーもフォークもロックも込みの熟成されたかっこよさと、ニコレットさんの初々しさがいいですねー。
  • 2015-04-27 08:16
  • goldenblue
  • URL
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[C2535]

彼女は知りませんでしたが 素敵な歌ですねえ
’70年代ウェスト・コーストは あこがれの的でしたよ♪
今のアメリカ村ができつつある頃 ウェスト・コーストっぽさが 私をかなりひきつけてました。
それにしても 古着が バカに高かったので ちょっとだまされたかな~っと苦い思い出も。
  • 2015-04-26 17:03
  • ひるのまり
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[C2534]

気持ちのいい天気ですね。
でニコレット・ラーソンですが、高校生くらいの頃レンタルしてカセットに入れて聴いていました。
またちゃんと聴きたくなっちゃいました。
70年代のウェストコースト・サウンド好きです!
多分生まれるのがもう少し早かったら、むちゃくちゃハマっていたと思います。

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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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