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♪ひまわり

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ひまわり / 小山卓治

 最悪とまではいかないが
 ここぞってとこで決まらねえ
 俺は下から2番目の男

        (下から2番目の男)

はぁー、なかなかここぞってときに上手く決まらないもんですよねぇ。
この曲は最初に就職した頃や無職でアルバイトや日雇いを点々としていた頃に、テーマ・ソングみたいによく聴いていた曲なのです。
ロックとしては線が細くアレンジもチープなんだけれど、この人の歌うB級映画みたいな物語はけっこう好きだったな。
そもそも上に立つタイプではない。任されたことをこんこんとやり遂げる職人タイプ。器用なんである程度のことはある程度の水準まではこなせる自信はある。上手く使いこなしさえしてくれればけっこう便利に働く方なんだけど、ただ頑固でプライド高くて筋のとおらないことや納得の行かないことを粛々と見てみぬふりしてするのは大嫌いだから、使う側にとってはけっこうめんどくせーヤツなんだろうと思ったりもするけど。
なんだかんだと理屈を並べて、言葉の端々の揚げ足をとって、最後は力と脅しでガツン、任せた責任は全うするのが当たり前、健康も家庭もプライベートも一切配慮なし、そーゆーのんってちょっとしんどいよねぇ。
いっそムカつくヤツ殴って辞めてやろうかとも思ったりもすることもあるけれど(笑)、やっぱり20代の頃や無職の頃に比べるとそーはいかねーよなー、と思ってしまうんだな。守りに入っているというつもりはないけれど、結局そんなことで自分がつまみ出されたところで何ぁーんにも変わらないわけで、それってやっぱりちょっと虚しいよね。それよりは踏みとどまって内側から変えていく力になるべきだ。
それにそもそもはこの仕事は大好きだし。

ぼやいてしまいました(笑)、ま、どこの会社でも多かれ少なかれ納得行かないことはいろいろあるよねぇ。
そもそも上に立つタイプではない。下から2番目、上等だ。
この立ち位置だからこそ見えることがたくさんあるのだ。
で、同じ立ち位置の人たちから信頼してもらえる仕事ができればそれでいいのだ。
いざとなったらどこへ行っても何をやっても暮らしてはいける。
そーゆー気持ちを失ってカウントダウンを指折り数えて過ごすのは嫌だな。
負け戦であるとわかっていても、戦いをあきらめないことに意味がある。

小山卓治に少しの親近感を感じてしまうのは、そういう部分なのかもしれないな。
同時期に日本のスプリングスティーン的に比較された日本のシンガーソングライターが幾人かいたけれど、その多くはストリート的疾走感だけを借りてきただけで基本的にポジティヴ、言い換えれば青臭くて能天気だったけれど、小山卓治だけはスプリングスティーンがよくテーマにする、人生の陰の部分を歌っている人だった。それも映画的な風景や群像が見え隠れすストーリーに乗せて。

 ガソリンが水たまりに虹を作る道の向こう
 すすけた赤い屋根が続いてる
      (ひまわり)

 その日俺達は兄弟になった
 街外れのさびれた交差点で
 2人のシュプレヒコールは風に舞い
 自由な足をふり回してもみた
 俺達は最後に笑うはずだった
 まるで映画のヒーローみたいにさ
         (傷だらけの天使)

何ていうんだろうか、古くさくピンぼけながら味わいのある古い映画のような映像が浮かび上がってきませんか。
1から10まで全てを語らない、聴き手のイマジネーションに結論を委ねるようなストーリー・テリングの手法。
こういうタイプの音楽ってほんと少なくなってしまったですねぇ。
歌の主人公が抱えたどうしようもやりきれないような感情、がんばろうとかやればできるとか愛が大切とかそーゆー上っ面だけの歌では癒されることができないある種の感情が、物語を通じて浄化されていく、物語にはそんな不思議な力がある。
時たま思い出したように、こういうタイプの音楽に心を委ねたくなってしまうのは、どこへも行き場を失ってしまったどこか満たされない気持ちを抱えこんでいるからなのだろうか。

 あと1歩踏みだせばすべて見えなくなるだろう
 何に乾杯しよう もう勝ちも負けもない
 傑作だな 妙にぼんやりしてしまったね
 永遠ってやつにそっくりな何かが見えた
        (Paradise Alley)

あ、何故か今夜はこの歌がひどくしみる。

 
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コメント

[C2595] Re: はじめまして

ひまわりさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
このアルバムと『NG!』はずっと大好きで、小山卓治さんのHPにあるコードを見ながらちょっと弾き語ってみたりして楽しんでいたり、懐かしいだけじゃなく今も自分の中にある感じです。
小山卓治さん、ずっと現役でやってるんですよね。興味はありつつ、なかなか足を運べないでいます。
  • 2015-07-05 18:54
  • goldenblue
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  • 編集

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

[C2591]

名盤さん、どうやって受け渡しましょうか?
非表示コメントでメルアドでも送っていただければ。
  • 2015-06-28 21:56
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2590]

本当ですか!?
聴きたいです!!

[C2588]

名盤さん、こんにちは。
ファーストももちろんかっこいいですよね!
1 WEST 72 STREET NY NY 10023、フィルム・ガール、カーニバル、NG!、と名曲ぞろいで、音自体はファーストの方が骨太でロックっぽいですね。
Amazonで中古は出回っていましたが、iTunesには残念ながら見当たらず、でした。
CD焼きましょうか?

[C2587]

小山卓治当時好きでした。
僕は1stの方が特に好きでした。
高校生の時に、バーボンハウスでライヴ観たの覚えてます。
また聴きたいけど、itunesとかにあるかな?

[C2586]

Bach Bachさん、こんばんは。
小山卓治さん、今も現役で歌っているそうです。
ロックと呼ぶにはちょっと線が細いですが、どこか琴線に触れる部分がありまして。
後の方の作品はよく知らないのですが、ファーストの「NG!」とこの「ひまわり」はいい作品です。

[C2585] 拝読させていただいて

凄く興味を覚えました。小山卓治さんですか、いつか聴いてみようかと思います!

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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