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♪BY REQUEST

By Request
By Request / Billy Vera & The Beaters


Corner of the Night
Someone Will School You, Someone Will Cool You
Strange Things Happen
I Can Take Care Of Myself
Millie, Make Some Chili
Peanut Butter
Hopeless Romantic
At This Moment
Here Comes The Dawn Again

疲れがたまっていたのか、胃腸風邪にやられて寝込んでしまいました。
体力が弱ると、ハードなロックは聴けない(笑)。
聴けるのは、穏やかでくつろいだ音楽。
優しいメロディーと、目立ちはしないけれどそこしかないというようなアンサンブル、リズムはゆっくりめのほうがいい。ただしリズムは大切。しっかりとした、流れ出る血液を押し出す心臓のポンプのようなしっかりとしたドラムと、言葉にならない鼓動のようなベースと。そして、穏やかで包み込むような声、少し憂いを湛えて控え目ながらも、力強さは失わない声。
そんな音楽って?と思いながら頭のなかでかすかに鳴っている音像を追いかけていると、このアルバムのことが浮かんできた。

1987年に全米No.1ヒットを記録した“At This Morment”を含む、ビリー・ヴェラ&ザ・ビーターズのこのアルバム。僕が手に入れたのはその大ヒットから何年も経ったあとにたまたま中古CD店でたたき売られていたのをたまたま特に大きな期待もなくなんとなくあれけっこういい曲だったよな、と思い出してのことだったのだけど、その時もちょうど冬の入り口だったように思う。
“At This Morment”の、はらはらと落ち葉が舞い落ちるようなせつせつとした演奏に、穏やかに、しかし心の底には深い悲しみを抱えながら、それでも穏やかに物語を歌うビリー・ヴェラの声に、不意に泣き出しそうになってしまったのをよく覚えている。
どちらかというとずっと、性急なビートで怒りや不安を撒き散らすようなハードでエッジの立った音が大好きだった僕は、自分がこういう音楽で泣けてしまうんだ、ということが少し不思議でとても奇妙な気分がしたものだった。
それからもう20年くらいが過ぎて。
この穏やかで深い悲しみの感覚が、自分の中でより深く共感できるようになっていることを自覚する。
そして、それは、そんなに悪い気分ではない。
もっと若い頃、悲しみは負の感情だった。あきらめは悪の行為だった。と、思っていた、もしくはそう思おうとしていた。そう思うことで嫌な気分を振り捨てて前へ進もうとしていたのかもしれない。
それがそうじゃなくなってきたのはいつ頃くらいからだったのかなぁ。
今、悲しみを負の感情だとは思わない。あきらめることは敗北だとは思わない。むしろ、その悲しみを受け入れた先の穏やかな気持ちこそが、人生にとってとても大切なものなのかもしれない、と思うようになってきた。
不思議だけどね。
歳を重ねるということはそういうことなのだろうか、それともそんなことを思うのは、冬の気まぐれなのだろうか。

ビリー・ヴェラ&ザ・ビーターズの演奏は実にいい。
力みがない。
へんに青筋立てて頑張らない。
余裕がある。その余裕の裏付けとしての技量がある。
だから、ひとつひとつのうたに、フレーズに、心を込めることができる。
そんな感じ。

大好きな“Hopeless Romantic”は、こんな物語だ。

Sometimes on Sundays
I sit by the TV
Watching sad movies alone
When it gets to the part
Where the little dog dies
I cry

 日曜日には時々
 テレビの前に座って
 一人ぽっちで悲しい映画を観る
 子犬が死んでしまう場面で
 いつも泣いてしまう

Sometimes I think I
Was born just a little
Behind or ahead of my time
I live in a dream world
Of caring and sharing
And good guys
And nobody lies

 時々私は思う
 ほんの少しの短い人生は
 夢の世界みたいだ、と
 誰もが人が好くて、誰も嘘をつかない世界で
 楽しみを分かち合う

I'm a believer
But much more than anything
I believe in you
You're not a deciever
And if you told me the ocean went dry
I'd believe it was true

 私は信じている
 どんなものよりもあなたを信じている
 あなたはうそつきなんかじゃない
 あなたが海を乾かしたと話すのならば
 私はそれを真実だと信じよう

So call me a hopeless romantic
'Cause I can still believe
I can still believe in true love
And hopeless romantics
Still can find a way
To make true love last
These days

 私のことを望みなきロマンチストと呼んでほしい
 なぜなら私はまだ信じているから
 私はまだ真実の愛を信じているから
 望みなきロマンチスト
 まだ真実の愛への道を見つけることはきっとできる


諦念の感覚を強く持ちつつも、悲観的、絶望的にはならない。自分のできる範囲の中で自分ができることすべきことにはベストを尽くす。些末なことで一喜一憂しない、人からの見返りを期待しない、人からの評価を気にしない。
人生の後半戦に必要なのはこういう心構えなのかな、なんて思う今日この頃でありました。


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コメント

[C2718]

ezeeさん、毎度です。
ビリー・ヴェラ、JBとのライヴでもいい喉を聞かせてくれてました。
冷え込む時期にあったまる声です。
  • 2015-12-04 23:30
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2717]

まいどです。ビリー・ヴェラ、良いシンガーでしたよね。最近、名前さえ聴かないけど。。 At This momentの入ったライヴ、結構ええ感じでした!

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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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