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♪DOWNTOWN

Downtown
Downtown / Marshall Crenshaw


Little Wild One (No. 5)
Yvonne
Blues Is King
Terrifying Love
Like a Vague Memory
The Distance Between
(We’re Gonna) Shake Up Their Minds
I’m Sorry (But So Is Brenda Lee)
Right Now
Lesson Number One

もう今ではすっかり聴くことがないのだけれど、中学高校生の頃、僕の世界への扉はラジオだった。っていうか、同じ世代のあの頃の中高生はみんなきっとそうだったはずだ。
ABCヤングリクエストや日曜の朝にやってたロイ・ジェームスの不二家歌謡ベストテンなんかが中学生の頃の僕の数少ない音楽情報源だったのだ。高校生になってからはFM雑誌をチェックしては片っ端からエア・チェックしていた。あ、エア・チェックなんてもはや死語だな(笑)。
そんな中で一番かじりついて聴いていたのはNHK-FMのサウンド・ストリート。中でも毎週欠かさず聴いていたのは月曜日の佐野元春のモトハル・レディオ・ショウだ。
トム・ペティやサウスサイド・ジョニー、プリテンダーズやスタイルカウンシル、或いはグッド・オールド・ソングスというプログラムで紹介されていたニール・ヤングやランディ・ニューマンやCCR、それからジーン・ヴィンセントやバディ・ホリーなんかを知ったのも全部サウンドストリートからだった。

で、今回の蔵出しCD、マーシャル・クレンショウもこのラジオで知った一人。
クールでシャープで都会的なロックンロール。バディ・ホリー譲りの朗らかさと、エルヴィス・コステロみたいなちょっと鼻にかかったちょっと物憂げなヴォーカル、そして都市に暮らすモラトリアムな少年のイノセンスを感じさせるところは国籍違いの初期佐野元春って感じでいっぺんで大好きになった。

 Waiting on the runway, rain falling down
 I always crawl by, can't get above the ground,
 I looked out at the window at the black clouds in the sky
 So lonesome I could die
 Well, we were on the lookout for adventure and fun
 Then we told each other it was over and done
 But here I go doing something I can't explain
 I'm running to see her again

 I want to talk to my little wild one
 And I want to rock with my little wild one
 All my life is a hollow display
 When I'm away from my little wild one

  雨が降りしきる中
  舞台袖で出番を待っている
  いつもはいまわっているけれど
  なかなか地上に出られないまま
  窓の外の黒い雲を見上げている
  死んでしまいそう
  冒険と楽しみを探し続けてきたはずなのに
  お互い話す言葉は終わってしまったことばかり
  でも、説明できない何かが僕を突き動かすんだ
  また探しにいくよ

  僕のLittle Wild Oneが疼きだす
  僕のLittle Wild Oneがロックしたがっている
  僕のLittle Wild Oneが消えてしまったら
  僕の人生すっからかんだ
       (Little Wild One (No. 5)

ブルーにさせられてしまうことはいろいろあるけれど、意思を持って前を向いていくよ、ってな感じが高校生の僕にはピタッときた。
クールな振りをして格好つけながら、どこか胸の内にシャープなナイフを大切に持っているような感じに自分の理想像を重ねてつつ、どんなことがあってもひとりでいることを怖れない感じに憧れた。
そして、何かに突き動かされるような、Little Wild Oneとしか訳しようのないフィーリング。
こういう感じこそが自分が好きなロックなんだな、ということがおぼろ気ながらつかめてきて、やがていつの間にかそのLittle Wild Oneを感じることができるかどうかが好き嫌いの大事なフィルターになっていったのだった。音楽だけじゃなく人やモノに対しても。
そうやって今の自分の骨格部分が出来上がっていったのだ。

30年が過ぎても、今もこのブルーなのに軽快なロックンロールはちゃんと響いてくれるのがちょっと嬉しい。
Little Wild Oneはまだここにあるし、今もやっぱり心にLittle Wild Oneを持っている人が好きだな。
説明できない何かに突き動かされていたいですね。これからも。


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コメント

[C2532]

非双子さん、こんばんは。
FM雑誌、懐かしいですねー。僕はもっぱら立ち読みで。
エアチェックするためのカセットテープも当時は高かったからお小遣いはそっちに回してましたね。
新聞のFM番組欄で一週間分めぼしい番組をチェックして、本屋で何時からどんな曲がかかるかを暗記して(笑)。
心ときめく曲との出合い、ほんとなくなっちゃいましたね。
こればっかりは仕方ないですかねー。今からときめき過ぎても困るかもしれませんし。
  • 2015-04-22 23:04
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2531]

>中学高校生の頃、僕の世界への扉はラジオだった。

深夜の「ジェットストリーム」が好きでした。
城達也じゃないと認めませんが、、

私は「週刊FM」買ってました。ホントに毎週でしたね。
「FMレコパル」は少しチャライ感じで
「FMFan」はクラシックっぽかった。

今はネットのROCKRADIOの好きなジャンル聴いてます。
でも、心トキメク曲との出会い、ありません。歳ですね(涙
  • 2015-04-22 22:31
  • 非双子
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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