新しいシリーズ、始めます。タイトルは「蔵出しCD」。 ブログも9年目にもなると常にネタ切れ気味なのですが、やっぱり何か書きたい気分はあって(笑)。何かテーマがあると書きやすいよね、ってことでしかないのですが、MyVintageには選ばなかったものを中心に、手持ちのCDから、ちょっと好きなものとか、懐かしいものとか、やっぱりはずせないものとか、あんまりテーマをしぼらずに思いつきで取り上げてみようかな、って感じでしょうか。 というわけで、一枚目に選んだのはこちらです。 The Best of Early Basie / Count Basie & His OrchestraHoneysuckle Rose Roseland Shuffle Boogie Woogie (I May Be Wrong) One O'Clock Jump John's Idea Good Morning Blues Topsy Out The Window Don't You Miss Your Baby? Blues In The Dark Sent For You Yesterday Every Tub Swingin' The Blues Blue And Sentimental Doggin' Around Texas Shuffle Jumpin' At The Woodside Shorty George Pinassie Stomp Jive At Five Oh, Lady Be Good 好きな音楽をずっとさかのぼっていくと、ロックもソウルもブルースもジャズも根っこのところではどんどんつながっていくわけで、近頃はそういうものに特に興味があって。
このアルバムは、カウント・ベイシー師が自己名義の楽団を結成したての1937年~39頃、いわゆるオールド・ベイシー時代の録音を集めたボックス・セットからのコンピレーション盤。
いやー、この時代のベイシー師はすごいよ。ジャズもロックもソウルもブルースも全部ここにある。
なんといっても
One O'Clock Jump だ。
なんだろう、このスイング感!コロコロと転がるベイシーさんのピアノ、レスター・ヤングのぶっぱなす意気揚々としたソロ、お次はトランペットのバック・クレイトン、続いてトロンボーンのジョージ・ハイント。火花を散らすような丁々発止のバトルがリズムに乗ってどんどんと転がっていく転がっていく転がっていく!
オール・アメリカン・リズムセクションと呼ばれたフレディ・グリーン(g)、ウォルター・ペイジ(b)、ジョー・ジョーンズ(Ds)の小気味よいリズム。ジャズとかソウルとかロックとかそーゆーの一切関係なしにこのリズムには誰だってやられちゃう。
そして、
Boogie Woogie (I May Be Wrong) や
Good Morning Blues で聞かせる、ジミー・ラッシングの野太くもどっぷりブルージーなヴォーカルがまた凄い。
華麗で朗らかでチャーミングで、かと思えば一転豪快にガハガハと大笑いするようなベイシーさんのピアノのリードの元に、あるときはおおらかに、またあるときは繊細に、熱のこもったプレイを繰り広げる楽団の演奏に、すっかりご機嫌になってしまう、まさに世界遺産級だと思う。
80年も前の時代に録音された彼らの音楽だけど、まるで古くささを感じさせないのがまた凄い。
録音されたときのみずみずしい感情がそのまま今もイキイキしてるんだな。
ベイシーさんたちの音楽は、1900年代初頭にニューオーリンズでジャズが生まれ、ミシシッピ・デルタでブルースが生まれ、南部の教会でゴスペルが生まれ、といった20世紀はじめの音楽のある意味集大成であって、その後のモダン・ジャズやリズム&ブルースやロックンロールのゆりかごでもあった。
禁酒法の時代のアメリカで唯一解放されていたカンザスシティの酒場に集まってきた腕利きのミュージシャンたちによって磨きこまれていった陽気でブルージーなダンス・ミュージックは、やがてビッグ・ジョー・ターナー、ルイ・ジョーダン、ロイ・ブラウン、ワイノニー・ハリスらに継承され、チャーリー・クリスチャンやT・ボーン・ウォーカーによってギターに置き換えられ、チャック・ベリーがそれを融合し、ロックンロールが出来上がっていった。そのチャック・ベリーに衝撃を受けたジョンやポールやミックやキースがバンドをはじめたら、ほらもう今の時代まで一直線!
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