カーティス・メイフィールド、ダニー・ハサウェイ、マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダーと並ぶニュー・ソウルの立役者、ビル・ウィザース。ミック・ジャガーがレニー・クラヴィッツとのコラボでカヴァーしたぶりぶりのファンク“Use Me”やクラブ・ヌーヴォーがリヴァイヴァル・ヒットさせたゴスペル調の“Lean On Me”、あるいはグローヴァー・ワシントン・Jr.の作品に客演したクロスオーヴァーな“Just The Two Of Us”などの...
『限りなく透明に近いブルー』という小説がある。1976年に芥川賞を受賞した村上龍のデビュー作品で、高校生の頃に読んで衝撃を受けた一作だ。小説の舞台は1971〜72年頃の東京・福生。ほぼ治外法権的にアメリカ文化に色濃く染まったハウスと呼ばれる米軍住宅で、主人公リュウは恋人リリーや仲間たちとともに麻薬や暴行、乱交パーティーなどに明け暮れる荒れきった生活を送っている。大きなあらすじはなく、そういう若者たちのくらし...
1972年リリースの、バディ・ガイとジュニア・ウェルズによるブルース集。ブルースなんだけど、やたらとリズムはタイトでジャキジャキしていて、音の印象そのものは南部のブルースやシカゴ・ブルースよりもっとロックっぽく、普通のロック好きにとっても取っつき易いブルースだ。まぁ、それもそのはず。バックを固める演奏陣に後にはエリック・クラプトンをはじめ、カール・レイドルやジム・ゴードンといったデレク&ザ・ドミノスの...
7月2日に最高気温32℃を記録して以来、39日続けての30℃越え。しかも7月16日以降は連日の35℃レベル。暑さには強い方だったんだけど、さすがにこの暑さはバテる。今日は台風の影響か少し暑さはましで、今までの疲れがどっと出てくる感じ。ニュースでは災害級の暑さだの、地球温暖化じゃなくて地球沸騰化だのと不安を煽るような言葉がぞろぞろだけど、こういう暑さの中でもせっせと働いている人がいるから世間が過不足なく回っているん...
引き続き夏休み中。クーラーの聴いた部屋で、ゴロゴロしながら寛いでいる。冷やし中華と冷やしトマト、よく冷えたビール。今年はまだスイカ食ってないな。スーパーでカットスイカでも買ってこようか。いや、スイカっていうのは、外でかぶりつくからおいしいのだ。カットスイカじゃ物足りない。そういえば、もうずいぶん海辺や浜辺でスイカ食べたりしてないな。小学生の頃は琵琶湖の海水浴場でキャンプするのが恒例行事だった。スイ...
「神への献身を歌う敬虔なゴスペルと、安酒と女に彩られたブルース。すぐれたソウル・ミュージックってやつは、いつだってそんな一見相反する二つの要素を分かちがたくはらんでいるものだ。サム・クックしかり、カーティス・メイフィールドしかり、オーティス・レディングしかり・・・。彼らの歌声には必ず聖者としての敬虔さと、そんな崇高な肌触りとは裏腹な扇情的ないかがわしさが、互いに矛盾することなく共存している。聖邪が...
レゲエに初めて触れたのは大学生になった年の秋だった。京都のある芸術系大学の学園祭でレゲエ・バンドKaja&Jammin'のステージを観たのだ。独特の横揺れのリズム、腹の底にぶるんぶるんと響くリズム、そのお祭り的高揚感と切羽詰まった熱の放出感。おー、こりゃすごい。たまらん、ってなって。ステージからKajaさんが「ボブ・マーリーは神様でーす!!!」って叫ぶのを聞いて、翌日早速ボブ・マーリーの『Live!』を聴いてますます...
60年代後半から70年代前半に登場したレゲエ第一世代は、ソウルからの影響をそのまま直訳したアーティストが多い。ウェイラーズの三声コーラスはもろにインプレッションズだし、トゥーツ&ザ・メイタルズのトゥーツ・ヒバートは後年にオーティス・レディングやメンフィス・ソウルのカヴァーアルバムをリリースしているくらいメンフィス・ソウルの信奉者だ。ケン・ブースのジェントルさはサム・クックだし、メロディアンズやヘプトー...
ナイジェリアの音楽についてはあまり詳しくはないけれど、古来から音楽が盛んな土地で、ヨーロッパ人が渡来してくる前からそれぞれの民族がいろいろなスタイルの音楽を演奏していたそうだ。黒人音楽の最大の特徴であるコール・アンド・レスポンスや強いビートはいずれもナイジェリアを含む西アフリカの民族音楽がルーツであり、すべてのブラック・ミュージックの源流であると言っても過言ではないだろう。そんなナイジェリアのカリ...
ニューソウルのムーヴメントを後ろから支えたギタリスト、そしてフュージョン/クロスオーヴァーのブームを牽引したStuffのギタリスト、コーネル・デュプリー。60年代前半にのキング・カーティスのバンド、キングピンズに加入し、アトランティック・レコードのセッションギタリストとしてアトランティックの全盛期を支え、アレサ・フランクリンの『Live At Fillmore West』やバンドにもダニー・ハサウェイの『Live』のグルーヴを紡いで...