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Tom Verlaine

とてもよく冷えた冬の夜。頬にあたる空気がキーンと冷たくて寒いというより痛いくらい。冬の夜空の闇と灯りは、昼間の空よりも自覚的で、どこか意味ありげだ。こんな夜にはテレヴィジョンが聴きたくなる。少し引き攣ったひっかかりのある、トム・ヴァーレインの沈鬱で不健康そうな声。まるでこの世ではない世界から響いてくるようだ。この人はひょっとしたら、この頃からすでにこの世にいなかった人なのかもしれない、そんな気がし...

天国にて

♡ずいぶん久しぶりね。♤ほんまそうやね。♡長い間お疲れ様でした。♤なんやかやで長いこと演りよったけど、まぁ、おまえが逝ってからの人生はオマケみたいなもんやったけん。♡あんたに出会えたことがそのまんまアタシの人生だったから、あんたがこっちへ来ちゃったことの方が、自分のときよりもアタシの人生が終わっちゃったって気がする。♤ロックンロール馬鹿のまま生きてこれたんはおまえのおかげやけん。♡でも、あんたまでこっち...

East Of The Sun/Stairway To The Stars

立春を過ぎて、暦の上では春。って、そう言われても真冬のど真ん中の寒さだ。ただ、晴れてお日様が顔を出すと、その日差しはとても暖かい。日曜日なんて、駅まで歩くうちに少し汗をかいたくらいだった。やわらかで穏やかな日差し。春はもうそんなに遠くじゃないと感じられる。そんな穏やかな日差しのように、やわらかなサックスが心地よい音楽。ポール・デスモンド“East Of The Sun”あぁ、暖かい。セーター脱ごう、なんてご機嫌で...

どんなふうに死ぬのが理想か

死にまつわる不謹慎なことを書きます。不快に思いそうな方はどうかお読みにならないでください。*死ぬとき、どんなふうに死ぬのが理想か。一番理想的なのは、ドラマとかでよくあるやつだ。重い病を患いながら自ら死期を悟って、死の床に家族や友人を呼び寄せ、ひとりひとりに感謝やメッセージを伝えたあとにガクッ、お父さ〜ん、あなた〜、シクシクシク、、、ってやつ。でも、現実的にはこんなのはあり得ない。仮に近いシチュエー...

Picture This/Huey Lewis & The News

golden(以下g):「ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの『Picture This』、邦題は『ベイエリアの風』とかいうタイトルだったけど。このアルバムのリリースが1982年。ここからいよいよリアルタイムで聴いたアルバムです。」blue(以下b):「高校一年の頃やな。」g:「この年の夏、住んでる町にレンタルレコード店ができて、音楽を聴ける環境が一気に変わったんだよね。」b:「駅前の雑居ビルの二階な。」g:「LPレコードなんて子供の小遣いで...

Uh-Huh/John Couger Mellencamp

golden(以下g):「ジョン・クーガー・メレンキャンプの1983年のアルバム"Uh-Huh!"。これは、初めて聴いた高校生の頃からずっと大好きな一枚なのです。」blue(以下b):「アーシーでラフでワイルドでかっこええよな。」g:「“Jack and Diane”や後の“Small Town”のヒットの印象が強くてフォーキーなイメージがあるけど、このアルバムでそれを踏襲してるのはシングルの“Pink Houses”くらいだもんね。もっと埃っぽくてガサツなロックンロー...

Centerfield/John Fogerty,Southern Accents/Tom Petty&The Heartbreakers

golden(以下g):「84〜85年頃って、ほんといろんな音楽を手当り次第に聴いたね。」blue(以下b):「あの時期、ニューウェーヴとかブリティッシュ・インヴェイジョンとかでピコピコしたりチャラチャラしたりの音楽が流行っとったけど、前回書いたヒューイ・ルイスやジョン・クーガーやブライアン・アダムスら骨太で泥臭いアメリカン・ロックがすごく元気で、どっぷりハマったなぁ。ま、ブライアン・アダムスはカナダ人やけど。」g:「...

Snow Blues

目が覚めたら雪がうっすら積もっていた。2月も半ばを過ぎて、昼間は少し暖かい日もちらほらしだしたのに。昨夜はかなり空気が冷たいな、とは思ったけれど。今年はよく降る。Snow Blues/Snowy Whiteスノウィー・ホワイトという、名前に雪を冠したギタリストがいた。Snowy Whiteというのは白雪姫の原題で、まぁ本名がホワイトさんなんでそこからニックネームになったんだろうけど。ブリティッシュ・ブルース・ロック界隈のギタリスト...

Northern Sky

水を抜いて澱んだ流れになった疎水で、鷺が虚空を見つめていた。強い寒気もようやく仕舞い支度を始めてくれただろうか。週明けには最高気温も12℃くらいまで上がるらしい。昨日の雨も、真冬とは少し違う、やわらかな匂いがした。どんよりくぐもった空の冬でなく、木枯らし吹き荒れる冬でもなく、凍てつくような冬でもなく。冬の終わりの始まり。雲の上あたりでは冷たく厳しい感じるが吹いているのだろうけど、地上はとても穏やかで...

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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