穏やかな気候には、アコースティック・ギターの音色が心地良い。爽やかな秋の風に、涼しげなアコースティック・ギターが響く、その心地良さ。アコースティック・ギターの音色が心地良いのは、木の響きがするからだろう。温かいというか、温もりがあるというか、ナチュラル、自然体で響く音。そこに、ちょっと線の細い女のひとの歌声なんかが乗っていると、より心地良い。見渡す限りの平原。その平原にそよぐ風のように、ただ鳴って...
10ccの曲で“You've Got A Cold”という曲がある。要は“風邪ひいた”って歌。風邪の症状を延々と述べてこの世の終わりのように騒いでいる歌。10ccは“I'm Not In Love”みたいな美しい曲も演るけど、基本ポップでキッチュで、スラップスティックなふざけた歌が似合うバンドだ。コロナ禍の今年のテーマ曲みたいだな、なんて言うと、世界中で100万人も亡くなっているのになんて不謹慎な!と叱られるだろうか。気がつけば今年ももうあと3...
音のパレット、番外編。なんとなく、ビートルズって「色の名前のついた曲」けっこう演ってるんじゃないかと思いついて、数えてみた。7曲。微妙でした。思ったより少なかった(笑)。■Baby's in Black『Beatles for sale』収録、ジョンとポールの共作。アコギのカッティングと、ジョンとポールのハモりがすごく気持ちがいい。亡くなった恋人の喪に服して黒い服を着続ける女性へ語りかける歌。■Yellow Submarine『Revolver』収録。この...
ビートルズに続いて、ストーンズの色の歌をピックアップしてみた。■Paint It Black66年『Aftermath』収録。黒という色の持つ魔力。“赤いドアを見ていたら黒く塗りたくなった”とか“緑の海はもう深い青色に戻ることはない”とか、色彩感が効果的に使われ、語り手の闇の深さをうまく表現している。■Brown Sugar71年『Sticky Fingers』収録。ブラウン・シュガーとはへロインの隠語なんだそうだ。■Little Red Rooster65年『Rolling Stone...
秋はお祭りの季節。近所の神社の祭りは今年は小規模で粛々と行われたらしい。花笠を先導に神輿が町を練り歩き神社に奉納される光景は、とても風情のあるものだった。色とりどりの花笠、キンキラに飾られた神輿、そして鳥居の朱色。神社や鳥居が朱色に塗られているのは、そもそもは燃える炎や沈む太陽、血の色のイメージなんだそう。そういう物への畏怖の念から転じて、魔除けの象徴として神社や鳥居に使われるようになったそうだ。...
ショッキング・ピンクはジョーン・ジェット姉御。これ、見たまんまですね(笑)。...
子供の頃に愛用していたクーピーペンシルセットには、やまぶき色が入っていた。僕はこれを「やまぶき・いろ」ではなく「やまぶ・きいろ」だと思い込んでいた。黄色のバリエーションだと理解していたのだ。山吹色は黄色の一種ではあるけれど、黄色のような強い主張はない。オレンジっぽくもあるけれど、オレンジとは全然テイストが違う気がする。明るいけれど穏やかで安定感があって、いてくれるとすごく安心する色だ。...
ロックの長い歴史の中で、色の名前で呼ばれるレコードが3枚だけある。ビートルズの“ホワイト・アルバム”、プリンスの“ブラック・アルバム”、そしてザ・バンドの“ブラウン・アルバム”。バンド名を冠したタイトルが他のレコードとの差別化が難しいことやそもそも名前がつけられなかったことから、アルバム・ジャケットの印象でそう呼ばれたに過ぎないのだけれど、ザ・バンドの“ブラウン・アルバム”は、通称と音の印象が見事に一致し...