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音のパレット〈鉛色〉

低気圧が張りだしてお天気は斜め模様。分厚い雲が地の果てまでも続いている。気圧は低く、湿気は高く、どんよりとした重たい空気で気分も澱みそう。近づいてくる暴風雨の予感。そんなどんよりとくぐもった空のことを「鉛色の空」と呼んだりする。鉛色といえば、僕がイメージするのはレッド・ツェッペリンだ。赤銅色に錆びて朽ち果てた巨大戦艦が、鉛色に荒れ狂った海を漂流している。鉛色に重くのしかかる不穏さ。預言者の不吉な言...

Driving with Mr.Bob

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天の川サーフ

七夕。小学生の頃、星を観るのが好きだった。大きな天体望遠鏡に憧れた。いくつもレンズを重ねたバズーカ砲みたいなやつ。あの天の川のひとつひとつが太陽のような星だと聞いても、それがどの程度気の遠くなるような話なのか、見当もつかなかった。麗蘭のアルバムで珍しく蘭丸が歌っていた一曲、「天の川サーフ」。ルックスや佇まいよりもより甘い蘭丸の声、“君と僕/流星サーファー/アンドロメダでひと泳ぎ”なんていう能天気などう...

ギタリストが歌う理由

バンドの中でギタリストがギターを弾きながら歌う姿は、誰も一様にかっこいいと思う。いわゆる奥田民生や斉藤和義、いわゆるシンガーソングライター的でギターも上手いヴォーカル、自分で作った歌を自分で弾きながら歌う人ももちろんいいんだけど、そうじゃなくって、本職「バンドのギタリスト」が、いろんな理由で歌うようになって歌っている姿が好きだ。歌うようになった理由は様々だろう。①ステージのアクセントにギタリストが...

音のパレット〈菫色〉

どんよりとした梅雨空が続く毎日。のっぺりと低く覆う雲と、だらしなく降り続く雨、滞るモヤモヤ感とのぼせる湿気、じとじと。なかなかスキッと晴れ晴れした気分にならないのは、お天気のせいばかりでもないもだろう。どんよりともやもやした気分、内に籠ってしまうような気分の中で脳内再生率があがるのは、例えばルー・リードだ。ルー・リードの音楽は何色なんだろう。全体のトーンは黒系、ただし漆黒というよりはモノクロームや...

音のパレット〈グレイ〉

ボブ・ディランの歌の空は、いつも曇り空だ。僕はディランに関しては全然聴き込んでいないシロートリスナーなので、ディランについて何かを語れるほど詳しくはない。ノーベル文学賞をもらうほど歌詞が素晴らしいと言われているけれど、それも正直ピンと来ない。だけど「Bring It Aii Back Home」「Highway 61 Revisited」「Blonde On Blonde」あたりのアルバムに収められた曲のかっこよさはわかる。投げつけるようにぼやくように吐...

音のパレット〈緋色〉

朝から蝉が暴力的に啼き散らかして、ギラリとした日射しで起こされる。モワッと蒸した空気で息苦しい。暑くなりそうだ。極悪な暑さの季節が近づいている。梅雨が明けると、一年で一番不快指数が高い季節になる。「西遊記」に一年中燃え盛っている火焔山という山が出てくるけど、この時期の関西はその火焔山が火を噴いているんじゃないかと思うくらい暑い。赤く燃えているよりもよりももっと赤い感じの暑さ、緋色の世界だ。英語でい...

不時着する流星たち

今日も雨。この7月で雨が降らなかったのは、先週末からの数日くらいではなかったか。体力的には酷暑よりましとはいえ、雨降りは気分を重くする。なんとなくスッキリしなくて、いくら眠ってもまだまだいくらでも眠れそうなくらい眠い。そのくせどれだけ眠っても疲れがとれた気がしない。日照時間が減ると鬱の症状が悪化するとの関連性が指摘されているらしいけれど、だとしたら今年はずいぶんとうつ病が増えたのではないだろうか。...

Super Special Monkey Magic

余命宣告を受けた後も彼女は明るかった。それは決して無理をして明るく振舞っているような健気さではなく、「明日は都合が悪くて遊びに行けないのよ」とでも言うように、残念だけど決まっていたことだから仕方がないのよ、といった明るさだった。「どうして私、こんな病気になっちゃったのかしら。」とポツリと呟いた彼女は、それから2ヶ月もしないうちに天国へ行ってしまった。40才を少し過ぎたばかりだった。猫には猫の悩みが...

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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