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続・音楽歳時記「立春」

今日が節分、明日は立春。暦の上ではここから春。今日はわりと暖かかった。このまま暖かくなるわけもなく、まだまだ寒い日は続くだろうけど、なんとなく底を打った感はあって、どこか気分が明るくなるのですよね。お日様の光も心なしか力強さが増してきた気がする。季節が巡っているのを感じる。少しずつ気は満ちて来ている、と。陽当たりのいい土手ではもう菜の花もすっくと背を伸ばして早くも小さな花を咲かせていた。The Crossi...

意訳 Luka

スザンヌ・ヴェガ 「ルカ」 意訳少年は、わたしの部屋の二階に住んでいた。時折、大きな物音がしたり、泣き叫ぶような声がするのが気にはなっていた。最初は、やんちゃな子供がふざけているんだろうと思っていたのです。小学校低学年くらいの子供なら仕方がない、その程度で苦情を言うのはあまりに大人げないだろう、と。思い起こせば、それらの物音は、ずいぶん以前からしていたような気がする。やんちゃな子供がふざけているにし...

意訳 Red Army Blues

The Waterboys“Red Army Blues”意訳家族を残して故郷を離れることがそんなに辛いことだと、その時はまるで思わずに家を出た。出発の朝、母さんは僕にこう言ったんだ。「いいかい、何人のドイツ人を殺すかじゃないのよ。たくさんの人民を解放するのがあなたの使命なのよ。」母さんが丁寧にブラッシングしてくれたいたちの毛皮の帽子をかばんに詰め込んで、僕は初めて故郷を離れた。17歳だった。まだ女の子とキスをしたことすらな...

意訳 Thousand are Sailing

The Pogues “Thousand are sailing” 意訳今はもう、その島は静けさに満ちている。けれど今もまだ、亡霊たちが手を振っているのが僕には見える。腹を空かせてこの島にたどり着き、血と汗と涙を流しながら、とうとう報われることがなかった彼らの魂が。事の起こりは、1845年のことだ。どこからか紛れこんだじゃがいもの疫病は、またたくうちにアイルランド中に広がり、たくさんのじゃがいもが被害を受けた。翌年のじゃがいもの作...

続・音楽歳時記「雨水」

冬の日、穏やかな休日。奥さんも娘も出掛けてしまって、ひとり新聞など目を通しながらぼけっとテレビを観ている午後。寒さは少しゆるんできたとはいえ空気はまだまだ冷たくて、今日はなんとなく表に出掛ける気にならない。こういうのもいいよね。何でもない休日の何でもない時間。ふと、無職だった頃の茫洋とした時間を思い出す。Hosono House / 細野晴臣はっぴいえんどは、人が持ち上げるほどには好きでもないし、YMOにも興味...

放浪記

僕はちょっと活字中毒気味のようなところがあって、文字であれば片っ端から読む。なので、ジャンルに関わらずいろんな本を読むのだけれど、意外にも、いわゆる「古典」というものはほとんど読んでいないのです。文庫本の文字が小さすぎる、とか、旧仮名遣いが煩らしい、ということもあるのだけれど、それ以上に拒否感があるのは、中学生高校生の頃に教科書や副読本で読まされたものや、教師が読めと薦めたものが、つまらなかったり...

意訳 The Night They Drove Old Dixie Down

The Band “The Night They Drove Old Dixie Down” 意訳1860年のアメリカ。その年の暮れに、保護貿易と奴隷制廃止を訴えたエイブラハム・リンカーンが連邦の大統領に選ばれた。これに反発する南部の諸州は次々と連邦からの離脱を表明し、ジェファーソン・デイヴィスを大統領にしてアメリカ連合国が結成された。最初の首都はアラバマ州モンゴメリー、ヴァージニア州が連合国に参加してからリッチモンドに首都を遷した。当時、着...

意訳 Xmas in February

Lou Reed “Xmas in February” 意訳彼は、路上でボードを掲げてしゃがみこんでいる。「どうか、ベトナムから故郷へ送り届けてください」と書かれたボードを、人々は知らん顔して通りすぎる。屈辱にまみれた戦争のことなど、誰も思い出したくはない。彼の名前をサムとしよう。彼はレストランの厨房のアルバイトだった。その暮らしはギリギリで爪に火を点すような毎日だった。幼い頃に両親を亡くし、親戚の家で厄介者のように育てられ...

意訳 新・時代の流れ

喜納昌吉&チャンプルーズ “新・時代の流れ” 意訳昭和8年の生まれだったおじいから、いろんな昔話を聞かされて僕は育った。おじいの昔話は、子供ながらにとてもおもしろかった。この島に昔から住み着いているキジムナーや聖霊たちの話が一番好きだった。嫌いだったのは戦争の話。おじいの話は、いつも決まって最後は戦争の話になるのだった。集団疎開で鹿児島へ向かった対馬丸が沈められたくさんの幼なじみが命を失った話。ひめゆ...

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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