自分に関して、気に入っていることも気に入らないこともいろいろあるけれど、「3月生まれ」というのは気に入っていることのひとつ。長く寒く暗い冬を越えて、陽射しが明るくなって暖かくなってくるこの季節に生まれた、っていうのは何かいいな、と。昨年50の大台に乗って、今年は51。まぁ何が変わるってことも今更あんまりないんだけど、なんとなくね、人生の後半がスタートというか、ここまでのことはここまでのこととして、...
啓蟄というのは二十四節気の中ではわりと有名な方でしょうか。元々の言葉は啓蟄啓戸。「蟄虫(すごもりむし)戸を啓(ひら)く」、つまり冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃という意味ですね。いきなりの20℃越えには虫たちも花たちもちょっとびっくりしちゃいそうだけど。え、もうそんな季節?慌てて起き出さなきゃ、って。この時期に聴きたくなるのは、元気な音じゃない。元気になれそうな音。この時期の朝の光のように、まだ...
まずいっと思ったときには、もう水の塊に足をとられていた。ズブズブとあっという間に腰の高さまで上がってくる。必死で両手で水をかき分けようとするけれど体は前には進まない。見えない足元が何かにとられてつまずいたところへ、後ろから何か流れてきたものが背中を強打。態勢が崩れたところへ波が襲いかかってきて、とうとう流されてしまった。ものすごいスピードで押し流される。流れてきた看板みたいなものに必死でつかまる。...
事務所の隣には、小さな会議室があって。使う人がパソコンでスケジュールを入力して場所を押さえる仕組みになっているんだけど、実態としてはけっこう空いているので、ちょっと事務所ではしにくい打ち合わせやなんかには申請なしで使うことはままある。試食室を兼ねていて小さなキッチンが付いているから、新しい商品の試食などに便利ということもあって。ある日、上司から朝礼でこんなお達しがあった。「うちの部署が会議室を自分...
50+1才のスタートは、思わぬ苦闘から始まることになった。腰痛。診断書上の疾病名は急性腰痛症。いわゆるぎっくり腰。最初にちょっとピリピリするな、と思ったのは先々週の木曜日だから3月1日だった。まぁそういうピリピリはたまにあること。以前もぎっくり腰やったことあるし。用心しなきゃ、なんだけど、その土日にイベントがあって出なきゃいけなかった。早朝から二日間立ち仕事。これが効いたんだろうけど、月曜日はちょ...
「入院ってしんどいですねー。」「やることなくてめっちゃヒマでしょ?」入院となると必ず言われる入院あるある的なこれらの言葉ですが、僕はあんまり当てはまらないのです。元々環境順応性は高いのか、例えば「枕が変わると眠れない」というようなことがない。その上、冬の間は3ヶ月ほど冬眠したいというくらいの基本出不精。ひまをつぶす方法なんていくらでもあるのだ。従って入院はパラダイス(笑)。仕事休んじゃってご迷惑をお...
■腰という字は「にくづき」に「要」と書きますが、腰って、ほんと体の要なんだと実感した入院生活でした。まさかぎっくり腰を悪化させて入院するとは思っていなかったですもん。先週の土曜日の朝。医者へ行かなきゃと思って立ち上がろうとするんだけど、これが立ち上がれない。無理してふんばって、壁づたいに腕で支えながらなんとか立ち上がろうとしたものの途中で身動き取れなくなって。それ以上動かそうとすると激痛が走る。だ...
春はやっぱり大好きな季節。日に日にあったかくなっていくっていうのはいいよね。自然と気持ちもゆるむ。腰痛もようやく収まったし、一時期ひどかった花粉症も、この数年わりとおとなしくて。今日はあいにくの雨だけど、それでも冬の雨とは気分が違う。春らしくのんびりとご機嫌な音のイメージって、なんとなく60年代初期モータウンの感じ。特に春のほわっとした気分によくあうのは、ミラクルズだなー。Going to a Go Go / Smoke...
3月ももう終わり。例年よりも幾分早く、穏やかな桜日和。暑くもなく寒くもなく清々しい。桜やお花見については古くからいろんな人がいろんなことを言ったり描いたり歌ったりしているけれど。何かを感じて、それを誰かに伝えたくなる。美しいものにはそういう何かがあります。『花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは。雨に対ひて月を恋ひ、垂れこめて春の行衛知らぬも、なほ、あはれに情深し。咲きぬべきほどの梢、散り萎れ...