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♪1992年6月 フラッグスタッフ

フラッグスタッフの町はその日、しょぼしょぼと降る霧のような雨だった。 グランドキャニオンを見るために、僕はこの小さな町のユースホステルに宿をとった。 日本を出ておよそ二週間。 ゴールデンゲイト・ブリッジも見た。フィッシャーマンズ・ワーフで貝や海老を食べた。ハリウッドにも行った。サンタモニカで初めてボード・ウォークなるものの正体を知った。サンディエゴから歩いて国境を渡ってメキシコものぞいてみた。 だけど...

♪1992年6月 ニューオーリンズ

フラッグスタッフからアルバカーキ、エルパソ、サンアントニオ、ヒューストンと、バスを乗り継いでニューオーリンズへ向かう。少し前までの旅の憂鬱なんていつの間にかすっかり吹き飛んでしまっていた。荷物をバス・ディーポのコインロッカーに預けてその日一日その町をぶらつき、夜行バスでまた次の町へ移動するということを繰り返すこと4日。我ながらタフだったと思う(笑)。ヒューストンを越えたくらいから今までの乾いた空気...

♪1992年6月 キーウエスト

キーウエストに行きたいと思ったのは、セブンマイルブリッジを渡ってみたい、というとてもシンプルな思いつきからだった。 フロリダ半島南端から連なる小さな島々はフロリダ・キーズと呼ばれ、一番端のキーウエストまで延々200km近くをオーバー・シー・ハイウェイと呼ばれるハイウェイが繋いでいる。その中でも全長約11kmもあるセブンマイルブリッジはまさに海の上の道。たぶん多くの方がテレビのコマーシャルやなんかで...

♪1992年6月 メンフィス

マイアミからはバスで一気に北上した。 フロリダ州タラハッシー、アラバマ州モントゴメリ、バーミングハム、テネシー州ナッシュビルを抜けてシカゴへ向かうルート41号線。グレイハウンドでまるまる一日ハイウェイを揺られる。 ハイウェイの向こう側、延々と続く広大な畑。 あぁ、アメリカだなぁ、なんて思いながら、こんな畑で奴隷労働に従事してきたアフリカから連れてこられた人々のことを思う。あるいは、昼間畑仕事で汗を流...

♪1992年7月 シカゴ

メンフィスからシカゴへ。 深夜に乗り込んだバスは、乗り合わせた乗客のほとんどがアフリカ系だった。 ブルースで歌われる世界をとても身近に感じた。 隣に座ったでっぷり太ったおばさんの横で小さくなりながら、バスはシカゴへ。 マディ・ウォーターズやハウリンウルフがしのぎを削ったブルースの都。シアーズタワーなど、超高層ビルが立ち並ぶ大都会。 ウィンディ・シティと言われるとおり、ミシガンを超えて街中を吹き抜ける風...

♪1992年7月 ジャージーシティー

   アメリカ行きを決めたとき、絶対行ってみようと思った場所のひとつがニュージャージー。 その頃の僕の一番のロックンロール・ヒーローはなんといっても“BOSS”ブルース・スプリングスティーンだったからだ。 そのことを書こうと思っていた矢先に飛び込んできたボスの片腕、クラレンス・クレモンズ氏の訃報。 まだ69歳、脳溢血で倒れたまま帰らぬ人となったのだそうだ。 高校生の頃、「明日なき暴走」を初めて聴...

♪1992年7月 ニューヨーク

旅の終着点はニューヨーク。 テレビや映画で見ていた世界の中心地、世界の首都。 とはいえ、なんだかんだで50日近く旅を続けてきてすっかり満足していた僕にとってはもうおまけみたいなものだったので、ニューヨークでの数日はもうふつうの観光客みたいに有名な場所をうろうろしていただけだったのだけれど。 イーストリバーとハドソン川をぐるっとマンハッタン島を一周する観光船に乗った。ソーホーやグリニッチヴィレッジをう...

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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