Cafe Bohemia / 佐野元春 with THE HEARTLAND年は明け、西暦2008年、になった。2008年という年号になんとなく違和感を感じるのは、小学生の頃大流行した「ノストラダムスの大予言」のせいだと思う。1999年7月に世界は終わる、というアレだ。だから、西暦2008年なんて年が本当に来るとは思っていなかったのだ。もっと子供の頃イメージしていた西暦2000年代は、鉄腕アトムが出てくるような近未来の世界だった。けれど、現実の2008...
Adventure / Television年末のハードワークの疲れがまだとれない。風邪で発熱したけれど、ぶっ倒れている場合じゃなかったからずいぶん無理もしたからな。いくらでも眠れそうな気がする。昨日は凍えるようなどんより雲の下なのに儀礼的に初詣に出かけた。参拝まで30分待つ間に小雨がちらついた。帰りにマクドナルドに寄れば、隣の席のばぁさんが大声で嫁や家族や世間の悪口をまくしたてて、それを聞かされている間中に気分が滅入っ...
Horses / Patti Smithシベリアから流れ込んだ寒気団のせいで、風がとても冷たい年末年始だった。耳に当る風を痛いと感じたのはずいぶん久しぶりだったような気がする。凍てつくような冷たい風、冬の張り詰めた空気に、なんとなくパティ・スミスを連想する。まるで、神の啓示を受けて立ち上がったジャンヌ・ダルクのように、言葉だけを武器に、情念を込めてマシンガンのように世界中にぶっ放してゆくパティ。1975年のこのファースト...
By Request / Billy Vera&The Beaters時々思う。大人でいるっていうことはしんどいことだなぁ、と。本当は誰かにすがりついて泣き叫んだりしたい気分の時でも、ぐっと我慢をしなけりゃいけない。20代の頃ならば、自分の思いのままに心に思ったことを何でもできた。そのことで誰かを傷つけようと、自分の人生の行き先が大きく変わってしまおうと、自分自身の気持ちに素直に行動することができた。けれど、残念ながら人生も折り返...
THE ORIGINAL DELTA BLUES / Son House穴倉にじっと閉じこもっていたいような気分の時に、すっと沁みるのはやっぱりブルース。それもB.B.キングやマジック・サムみたいにモダンで華麗な奴じゃなく、思いっきりダウンホームなブルース。例えばサン・ハウス。まるで悲しみや苦しみをギターにぶつけるかのように、叩きつけるような激しい弾き語りで歌われるサン・ハウスのブルースは、本当に心に沁みる。或いは心にまっすぐ突き刺さ...
Ella & Louis / Ella Fitzgerald & Louis Armstrong冬型の高気圧に覆われたよく晴れた冬の夜、吐く息が白い。見上げれば星がきれいだった。子供の頃、兄貴や母親と一緒に、近所の公園に冬の星空を観察に行ったことを何となく思い出した。グリーンっぽい灯りの街灯に照らされた、いつも見慣れた風景とはまるで違う誰もいない公園で見上げたオリオン座や冬の大三角形はとてもきれいだったことを、冷え切った冬の冷たい空気...
Baby a Go Go / RCサクセション冬の寒い夜冬の寒い夜は君を抱いて眠るのさ暖かい夢を二人で見るのさ光射し込むまでこの冷えたベッドもすぐに温まるさ冬の寒い夜は風が窓を叩くのさやわらかい君を抱きしめたいのさ光射し込むまで次の朝が来ればすぐにめぐり合えるさ冬の寒い夜は僕といっしょに寝よう冬の寒い夜に、夜更かしをするのは好きだ。シンと静まって誰もが暖かい布団で眠っているような真夜中に、暖かいお茶を飲みながら...
人にはそれぞれ事情がある / 真島昌利 ♪カレーライスにゃかなわない栄養とらなきゃ体に悪い それは本当の事なのか?睡眠とらなきゃ体に悪い それは本当の事なのか?アルコールもやめられないし 煙草もやめられないオレだオレは何が食いたい?ジャガイモ ニンジン 玉ネギ トリ肉カレーライスを作るのだ(そりゃいいね)お鍋に湯を入れ グツグツ煮立ててタマゴを茹でるもいいだろう(そりゃいいね)フライパンでまずトリ肉を 炒め...
It's Only Rock'n'Roll / The Rolling Stonesテレビの天気予報が「本日の最高気温は平年より3℃低い5℃となるでしょう」と告げていた。雪もちらついている。コートを着込んで出かけたものの、タバコをはさんだ指が寒さでかじかんだ。この数日の冷え込み方は異常だ、と思いながら、いや、子供の頃は冬はこれくらい寒くて当たり前だった、そもそもこのところの冬が暖かすぎるのだ、と思い直した。どうせ寒いならこれくらい寒いほうがい...
New York / Lou Reed一昨日だったかのニュース番組のヘッドラインは、南極海で調査捕鯨を行っている日本の船舶に反捕鯨団体の活動家が侵入し拘束された、という報道だった。その団体が世界中のマスコミに配信したと思しき船上での映像が映し出されていた。この団体は、環境保護NGO"グリーンピース"から分派した過激派組織、とのこと。自分たちの信じる正義の実現のための暴力の行使を正当とするのであればテロリストとの謗りは免...
Tunnel of Love / Bruce Springsteen 海岸沿いに停めた車の脇にたたずんでいるスプリングススティーン。短くさっぱりと刈り込んだ髪、剃られた髭、らしくないスーツのポケットに手を突っ込んで、その瞳は何かをじっと見つめているようでもあり、何か物思いにふけっているようでもあり、怒りや悲しみに満ちているようでもあり、密やかな決意を秘めているようでもある。 そんなこのアルバムのジャケット写真が好きだ。 1987年、ス...
VISITORS / 佐野元春世間は受験シーズンを迎えているらしい。自分自身がかつて受験生だった頃のことを思い出すととても憂鬱というか、不憫な気持ちになる。最近はどうなのかは知らないが、僕らの頃は「受験戦争」なんて言葉があって、いい大学へ行っていい会社に入りたくさん給料を貰うことだけが子供の幸福である、とばかりに世間が子供たちを受験戦争に駆り立てていた。いい大学っていうのは偏差値の高い大学であって、そこで...
The Pretender / Jackson Browne結局今年の正月も実家に帰らなかった。仕事柄なかなかまとまった休みが取りにくいとはいえ、帰る気になればいつでも帰れる距離なのではあるのだが。昨年はこちらへ足を運んできた両親も、今年は「どうも寒くて体の調子が良くない。また暖かくなったら寄せてもらうわ。おせちとかも食べ物の制限とかあるしなかなか食べられへんし。」なんてことを言っていた。ずいぶん老け込んだ印象が年々加速度的に...
Brothers in Arms / Dire Straits毎日まるで雪が降りそうなお天気が続く。ほんの少し晴れ間が見えたかと思えば、またいつの間にかどんより。関西の冬は高気圧に覆われて寒くてもよく晴れるのが普通なのだけれど、今年の気候はまるで雪国だ。マーク・ノップラーの爪弾く優しく穏やかなギターと、それに続くキーボードのフレーズがまるではらはらと降り始めた雪のような感じがする、ダイアー・ストレイツの"Why Worry"。大ヒットし...
Deuces Wild / B.B. King生協のおすすめで買っていた『カレー鍋』なるものを食べた。特製スープに、白菜、もやし、椎茸、と添付の豚肉、肉団子、もち巾着をたっぷり放り込んで。鍋とカレー?っていうのがどうもイメージとしてくっつかなかったのだけれど、なるほどうまい。かつおベースの和風だしと、たくさんのスパイスを丁寧にブレンドしたであろうカレーのスパイシーさがほどよくマッチしておいしかった。高級カレーうどん?或...
Genius Loves Company / Ray Charles温かいお鍋のように懐の深く心の底から暖まるようなアーティストといえば、御大レイ・チャールズ。2004年、亡くなる直前の置き土産のように遺された、豪華ゲストとのデュエット・アルバム。B.B・キングとも演っていたヴァン・モリソン、ボニー・レイット、ウィリー・ネルソンはじめ、エルトン・ジョンやジェームス・テイラー、マイケル・マクドナルドにグラディス・ナイトといった大物、ナタ...
Very Best of Al Green / Al Green雪もちらほら降りだした、寒い冬の静かな夜。暖かいラブソングが聴きたくなる。ささやかで、ひっそりと美しい歌。心の隅っこでほくほくと温もりを放ってくれる懐炉のような。食べることと、眠ること、それから愛し合うことが満たされていれば、たいがいのことはうまくいく、とある人は言う。いわゆる基本的欲求のうちの第一次欲求という奴だ。よく食べて、よく眠り、たくさん愛し合う。その通り...
Perfect Angel / Minnie Riperton♪Lovin' Youあなたを愛するのは簡単なことだってあなたがとても美しいからあなたを愛することだけがあたしのすべてあなたを愛することは夢が叶った以上のものあたしのすることはすべてあなたを愛することにつながるのあなたのもたらす色 ほかの誰も感じさせることはできないから一緒に歳を重ねていきましょう春の日のようにふたりで生きていきましょうあなたを愛することであたしの人生は輝くの...
No.18 / THE GROOVERS先日、久しぶりに街へ出たときにちょっとタワレコへ寄ったら、ザ・グルーヴァーズの初期の3枚のアルバムが再発されていた。現在も活動中の3人組のロック・バンド、ザ・グルーヴァーズはG/Voの藤井一彦を中心としたバンドだが、その初期は西村茂樹というヴォーカリストを中心とするバンドだった。88年~90年に3枚のアルバムを発表した後、西村はバンドを解雇されてしまう。ザ・グルーヴァーズのバンドの正史に...
陽はまた昇る / ヒートウェイヴ僕の携帯電話は、電池が切れると、小窓に「充電してください」と表示が出る。小さな機械に、日本語で、しかも「してください」と敬語で哀願されると、どうしていいのかわからなくなる。「してください」って言われても家に帰らなきゃ充電器も電源もないのだからどうしようもないわけで、その哀願を見ないようにポケットへ沈み込ませるしかないのだ。充電。携帯電話に限らず、人のココロにも、時に...