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♪瓦礫ではなく

そこに展示されていたのは、壊れたピンクのデジタルカメラでした。カメラの横にはハガキくらいの大きさの紙があり、メッセージが書かれている。「娘といっしょに高台まで逃げたんだ。そしたら娘が写真撮ってくるって。写真なんか撮らなくったってよかったんだ、こんなことになるなんて。」泣きました。その展示物があったのは、陸前高田の隣、宮城県気仙沼市にあるリアス・アーク美術館というところ。昨年から「東日本大震災の記録...

♪ボランティア、5年目

金曜日の夜から月曜日の朝まで、現地一泊車中二泊の行程で陸前高田へボランティアに行っていました。昨年の夏以来、一年ぶり。昨年同様に一般の方々の引率責任者で、参加者は下は11才から上は76才まで。夏休みということもあってお子さんが多かったのですが、特徴的だったのは、一度参加された方がはじめての方を連れて再度参加されるケースが多かったことでした。以前参加された奥さんがご主人を連れてこられたとか、お母さん...

♪道づれは南風

いつものように終電近い電車を降りたら、ホームに見知った顔を見つけた。色白でごっつい顔にしょぼしょぼとした細い目、やわらかで穏やかな表情、白い髪。あ、Kさん!・・・人違いだった。当たり前だ。Kさんは、2ヶ月少し前に亡くなっているのだ。くも膜下出血で倒れて意識を取り戻すことなくあの世へ行ってしまったのだ、ということを家族葬が終わってから知らされた。まだ60を少し過ぎたばかりだったのに。Kさんは元々長い...

♪ボランティア

畑の草抜きの作業を終えての休憩時間、小川の水で冷やしたスイカにかぶりつく。スイカっていうのは、たくさんの人数で外で食べたほうが絶対においしい。水曜日の夜から土曜日まで、陸前高田へのボランティアに参加してきました。去年は忙しくて行けなかったので2年ぶり。楽しかったです。災害被災地でのボランティアで「楽しかった」という感想は不謹慎だと思われるでしょうか。でも正直な感想として「楽しかった」のです。今まで...

♪未来商店街

「陸前高田未来商店街」。 素敵な名前ですね。 昨年の8月に訪れた頃に仮設店舗で営業を始めたスーパーマーケット「マイヤ」竹駒店の周りには、ファミマとローソンのほか、銀行や100円ショップやドラッグストア、ホームセンターの仮設店舗が集まり、新しい町の中心部のような活気を醸しだしている。 その一角にできた「未来商店街」は、店舗はやはり仮設のコンテナなのですが、とてもカラフルにペイントされていて鮮やかな彩り...

♪Love Lives Here

昨年の夏に訪れたときには辺り一面まっ茶色の埋立地のような風景だった陸前高田の町。 今はほうぼうに雑草が生い茂り、時の経過をまざまざと感じさせられました。 ここに、かつて高田の町があった。 僕自身はその風景を見たことがないのでただ想像するしかないのですが、知っている方にとっては愕然とする光景なのだろうと思います。 ふと思い出したのはこんな歌でした。 It's hard to believe that this is the place Where we we...

♪穏やかな海

陸前高田市・広田湾。この穏やかな海が、あの日町を飲み込んでしまっただなんて、誰だって想像することなんてできないと思う。まるでどこかの映画で主人公が夏休みに帰省する田舎みたいな、そんなのんびりと穏やかでどこかとても懐かしいような風景がそこには広がっていました。ボランティアで『たこ焼きパーティー』を行なったのは、そんな穏やかな海が見える仮設住宅。砂利を敷き詰めた駐車場にテントを建てて、カセットコンロ対...

♪いつもと違う場所で

風になりたい-The Boom♪天国じゃなくても 楽園じゃなくても あなたに会えた幸せ 感じて 風になりたいなぜか急に「風になりたい」が聴きたくなって、レンタル店でザ・ブームを借りてきた。昔、「気球に乗って」や「釣りに行こう」が入ったアルバムがけっこう好きだったのだけれど「島唄」がヒットした以降はほとんど聴いていなかったのです。正直、気どりすぎが鼻につくというか、胡散臭いというか、素直に「おーっ、かっこいい...

♪Your Love Keeps Lifting Me Higher And Higher

4ヶ月ぶりの陸前高田。 津波に流されてしまった町の中心部は今も瓦礫がうずたかく積み上げられ、かつてここに町があり人の暮らしがあったことが想像できない風景が続いているのだけれど、少し離れた気仙川沿いの国道周辺のスーパーやコンビニの仮設店舗が建つエリアを中心に、食堂や100円ショップやクリーニング店がオープンして歳末の賑わいを見せていた。 写真は、先日営業をはじめた本屋さん。 「生活必需品はなんとかなっ...

♪被災地からメリー・クリスマス

実は水曜日から、再びボランティアで岩手県の沿岸部に来ていました。 「被災地の子どもたちにクリスマス・プレゼントを!」という企画があって、たくさんの方が賛同してくださり、おもちゃやお菓子などが手配されたのですが、クリスマスまでに配りきる人手が足りない、ということで急遽動員がかかりました。 岩手県は想像通り寒いっ。最高気温1度、最低気温マイナス3度。でも、心はとてもあたたかいです。お会いした方はみなさん...

♪ハートのブローチ

「手仕事で笑顔がつながっていく」 そうキャッチコピーが書かれたこのハート型の編み物は、実は被災された方々が作っている商品です。裏側にピンがあってブローチになっています。 台紙の裏には製作された方の手書きのサインが記されてあります。 僕のは陸前高田の「やすべ」さんという方のかわいらしいサインがしてあった。 つまり、このブローチは、『被災地に仕事で笑顔を!』をテーマにした支援プロジェクトで、被災された方々...

♪半年

陸前高田の高田松原で、たった一本残った松の木が弱ってきている、と昨日の新聞の夕刊に記事があった。 あれから半年。 僕が見た陸前高田の浜は、あの場所に7万本もの木が立っていたとはとても信じられない、がらんとした海辺だった。 たった一本だけ残った松は『負けるなよ。あきらめるなよ。』と被災地に語りかける“復興の象徴”とされていた。けど、僕には、たったひとりぼっちで取り残されたとてもさみしい木であるようにも見...

♪『気にせんでけれ』

お盆休みとボランティア休暇をはさんですっかり呆けてしまった頭と格闘しながら仕事を片付けていたら、あっという間に一週間がたってしまった。 被災地で感じたことをもう少し。 仮設住宅へ野菜や食材をお届けしていた時のこと。 「大阪からボランティアに来ました。お野菜とか持ってきたのでどうですか?」 もう何件目かで、慣れてきた口調でこう切り出すと、出てこられたのは同世代くらいの男性。 「うちは男一人暮らしで、仕事...

♪Ray of Hope

                       (2011.8.25 陸前高田市)「あの町が全部、海になっちゃったんだべ。」 ぽつんとそう呟いた、陸前高田での物資配達でお世話になった現地のボランティアさん。 ご自身も被災され、仮設住宅での不便な暮らしを強いられる中で、全国から集まった物資を被災された方へお届けするお手伝いをしてくださっている方で、こういう方がおられて初めて、被災された方の手元へ物資が届くのだ。 ...

♪自分のために、行く。

今晩から一週間、震災の被災地へボランティア活動に行ってきます。 善意ではない。 自分のために、行くのだ。 昔っから、「人のために」なんてことは大嫌いだった。 まず、自分にとってどうか、行動の基準はそれだ。 もちろん、何でもかんでも自分の好きなことを好き勝手にやればいい、ってことじゃない。 善意という言葉にかこつけて自分の都合を押し付けてくる人たちが嫌いなのだ。 一見「人のために」見える行動でも、それは「...

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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