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音楽歳時記シーズン3「大寒」

1月20日、大寒。真冬の一番底。休日は冷たい湖の底で泥に潜って固まっているような気分で眠っていた。犬や猫や熊のように毛皮を持たないヒトという生き物の基本設計は明らかに寒冷地仕様ではないのですよね。冬にやる気が起きないのは当たり前だ、と自分の怠惰を人類の起源に押しつけておく。よく冷えた夜に意識の底で鳴っている音楽は、氷のように冷たく尖った印象の音楽だ。氷のようにクリスタルで、光の角度によって色を変え...

音楽歳時記シーズン3「小寒」

年が改まって最初の節季は小寒。年の始まりには愛に溢れた音が聴きたいと思う。穏やかで、心が温まる音。ポジティブで前向きな歌。スティーヴン・スティルスに“愛への讃歌”という邦題をつけられた曲があった。分厚いコーラスやオルガンがどんどんと盛り上がっていく曲。アレサ・フランクリンやアイズレー・ブラザーズをはじめ多くのアフリカ系ミュージシャンにもカヴァーされていた名曲だ。Stephen Stills / Stephen Stills雪の中...

音楽歳時記シーズン3「冬至」

The Gift / Midge Ureミッジ・ユーロの“If I Was”は1985年にUKチャートでNo.1になったヒット曲。当時好んで聴くのはギターがぎゃんぎゃん鳴っているハードなロックやパンク系の攻撃的な音一辺倒だったから、ミッジ・ユーロや彼が在籍していたウルトラヴォックスにはまるで興味もなかったし、彼が曲を書いた“Do They Know It's Christmas”みたいな、みんながんばりましょう的チャリティーなんて中指立ててfxxk you的に大嫌い...

音楽歳時記シーズン3「大雪」

サイモン&ガーファンクルにはなんとなく冬の音楽というイメージがある。それは、このアルバムのジャケットの印象が強いせいかもしれない。マフラーを巻いて分厚いコートを着こんだポールの表情は唇を少し歪め眼差しは遠くどこかシニカルで、対称的にアーティーは真っ直ぐに正面を見据える。ただし口元は見えない。Bridge Over Troubled Water / Simon and Garfunkel静かで叙情的とも言えるテイストの曲が多い印象のせいか、サイモ...

音楽歳時記シーズン3「小雪」

11月22日が小雪。初雪の便りが届き始める頃。いつの間にか街路樹もすっかり赤や黄色に染まっている。昼間はまだましとはいえ、朝晩はダウンが要るようになってきた。また冬が来るんだなぁ。冬はあんまり好きじゃない。ただでさえ血圧が低い僕は、気温が下がると極端に血の巡りが悪くなる。ましてこのところの忙しさがやっと一段落ついて、どっと疲れが出てきた今日この頃。どこへも出かけずに家でゴロゴロしていたい。あったか...

音楽歳時記シーズン3「立冬」

マリア・マッキー、という名前を聞いてピンとくる人はいまやどれぐらいいるのだろう。1985年にデビューしたローン・ジャスティスというバンドの看板ヴォーカリストが彼女だった。ロサンゼルス出身で少し田舎っぽいカントリー風味が持ち味だったローン・ジャスティス。プロデューサーにジミー・アイオヴィンを据えて新興ゲフィンから鳴り物入りのデビューを果たし、Eストリートバンドのリトル・スティーヴンやトム・ペティも曲...

音楽歳時記シーズン3「霜降」

10月23日、霜降。霜降というのは、その名のとおり、霜が降り始める時期、という節季。秋が深まっていく。10月の平均気温って、実は4月よりも高いのですよね。でも、どうしてだろう。4月の18℃よりも10月の18℃のほうが冷たく感じてしまう。春の夕暮れよりも秋の夕暮れのほうが寂しく感じてしまう。なんとなく下っていく、閉じていく、そういう感じがするからだろうか。ただでさえ、また大きな災害があって気が滅入る。...

音楽歳時記シーズン3「寒露」

10月8日、節季は寒露。そろそろ露が降りて、朝晩なんかはひんやりするような季節の始まり、という意味。実際、今週になってやっと暑さが落ち着いてきた。秋は実りの季節。今年の収穫を祝い、神様に感謝を捧げる季節。家族親族単位で狩猟と採集を行って暮らしてきた私たちの祖先が、稲作を暮らしの中心に据えるようになったことからムラが生まれ社会が生まれたわけで、私たちの社会の慣習はすべて稲作と大きな関わりを持っている...

音楽歳時記シーズン3「秋分」

秋分の日。台風も去り、気候もずいぶん落ち着いてきて、あー、やれやれ、という気分。明日からは昼間よりも夜の方が長くなる。気持ちも体も少し落ち着けて、矢継ぎ早に現れる課題を片っ端からこなすのではなく、じっくりと腰をすえてすすめていきたいと思わせてくれる穏やかな秋の夜。こんなときには、音楽も穏やかで落ち着いたものがいい。落ち着いた、というか、安定感のある音。奇をてらわずにオーソドックスな、だけど、確固た...

音楽歳時記シーズン3「白露」

9月8日が白露。白露という節季は少しなじみが薄いけれど、「陰気ようやく重なり、露凝って白し」という意味だそうで、要は、秋がいよいよ本格的となっていく時期、ということ。引き続きいろいろ忙しいけれど、一番エネルギーがかかる部分は越えた、ここから先はキープ、まぁそれはそれでたいへんではあるんだけど、ちょっとほっとした感じ。いやぁ、エネルギー、いったよね。普通、無理じゃない?でも、できないって言いたくない...

音楽歳時記シーズン3「処暑」

8月23日が処暑。夏の暑さが止まる場所という意味の節季。実際、大きな台風が去ったあと、異常な猛暑は少し後退。蒸しっと湿気が高いとはいえ、最高気温32℃とか最低気温25℃なんていう数字を見るとちょっとほっとするね。まだまだ蒸し暑いし、秋の気配とまでは言わないけれど、蝉の啼く声もすっかりおとなしくなったし、夜には秋の虫の声もする。リラックスできる穏やかな音楽でも聴いて、今日はワン・ブレイクとしよう。夏の...

音楽歳時記シーズン3「立秋」

8月8日、立秋。暦の上では秋といわれてもちょっとピンと来ない、まだまだ真夏の真っ盛り。ただ、一番クソ暑い時期は乗り越えた感はありますね。風や空が少しずつ秋めいてくるまで、あともう少し。今年の夏は、久しぶりにハイパーマックスに忙しかった。かった、っていうか現在も継続中で忙しいのですが。ただでさえ夏は、下期のいろんな取り組みが増える上に、新人さんが入ってきて、新人さんに教えながら自分は自分で別の大きな...

音楽歳時記シーズン3「大暑」

立春・立夏・立秋・立冬のそれぞれの前の18日間を「土用」といいます。この時期は季節のつなぎめの不安定な期間で、すなわち体調を崩しやすい。特に夏の土用の頃は、通常は一年で一番暑い時期。気温も高い上に多湿な日本ならではの湿気の高さが不快感をよりあおり体力を消耗させる。高温多湿な状況は、一般生菌類の活動が活発になりやすいわけで、体力減退+菌の活動となれば、病人死人がたくさん出るのもこの時期だった。そこで...

音楽歳時記シーズン3 「小暑」

7月7日が小暑。七夕なのに本格的に梅雨。じとじとと雨が降って鬱陶しいうえに、湿気が高くて蒸し暑い。頭はのぼせるくせに、足元は冷えたりして、どうにも体調の調節が難しい。よって、睡眠不足、食欲減退。だけど、食欲減るからって、あっさりしたものばっかり食べてたんじゃダメだ。どうせ麺類なら、そうめんよりも、ごってりした鍋焼き風味噌煮込みうどんとか、キムチたっぷりのチゲ鍋風うどん食べて汗をかくとかしたほうがい...

音楽歳時記シーズン3 「夏至」

節季は夏至。昼の長さと夜の長さが同じになる。この日をボーダーに、誰も気付かないうちに何かがそっくりと入れ替わる。その何とも言えない奇妙な感覚。その昼の長さが夜の長さへ反転する瞬間を見たいと思う。太陽の軌道が90°に達して折り返すその瞬間を。ふと思う。僕は、どこで人生の夏至を迎えたんだろうか。まだまだ長いと思っていた昼の時間が、気が付けば短くなっていて、いつの間にか夕方にさしかかっていた。なんだかな...

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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