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音楽歳時記まとめ記事

3年にわたってすすめてきた「音楽歳時記」シリーズのまとめ記事です。僕は昔から、気温や気候がかなり気分に直結するところがあって。機嫌悪くても晴れてて爽やかならすぐ収まるし、雨で肌寒けりゃすぐに気分が塞ぐ(笑)。誰でもそうなのか、自分にその傾向が特に強いのかはよくわからないけれど。食べ物、着る物、そして聴く物は、気温や湿度に合わせるのが心地いい。いくら天の邪鬼でも、ピーカンの爽やかな朝にトム・ウェイツを...

音楽歳時記シーズン3「啓蟄」

3月初旬のこの時期には、誕生日があって、その一週間後に東日本大震災があって。そういうせいだけでもないんだろうけど、この季節はなんとなく、静かに人生について、世界について、考えを巡らせてみたい気分の季節にいつの頃からかそうなってしまった。その上、このコロナウイルス禍によるどんよりムード、嫌でも自分やこの国の行き着く先に漠然とした不安感を感じては重い気分になってしまう。もっとも、いろいろ考えを巡らせた...

音楽歳時記シーズン3「雨水」

2月19日、雨水。この頃から、雪が雨に変わる、そういう由来の節季。この言葉の意味を裏返せば、この時期までは雪が降る、ということでもある。今年は暖かくて、雪を見たのは今朝が初めてなんだけど。Phoebe Snow / Phoebe Snowスノウっていう芸名だから、ってことでもないけれど、フィービー・スノウさんの音楽は、雪の降る夜みたいだ。音もなく、静かに、しんしんと降る雪。雪って、積もったほうが暖かくなる気がするのは雪が...

音楽歳時記シーズン3「立春」

エルヴィス・プレスリーの歌は、季節を問わずいつだってかっこいい。なにしろロックンロールの王様だ。けど、それを承知でなんとなくだけど、僕はプレスリーの音楽に冬の匂いを感じてしまう。遅めの新年会の帰り道に酔っぱらってハナウタで歌う“I want you,I need you,I love you”の印象が強いせいだろうか(笑)。それは冗談にしても、当たらずとも遠からずなのかもしれない。プレスリーの音楽は熱い。けど、その熱さは、真夏の太陽...

音楽歳時記シーズン3「大寒」

1月20日、大寒。真冬の一番底。休日は冷たい湖の底で泥に潜って固まっているような気分で眠っていた。犬や猫や熊のように毛皮を持たないヒトという生き物の基本設計は明らかに寒冷地仕様ではないのですよね。冬にやる気が起きないのは当たり前だ、と自分の怠惰を人類の起源に押しつけておく。よく冷えた夜に意識の底で鳴っている音楽は、氷のように冷たく尖った印象の音楽だ。氷のようにクリスタルで、光の角度によって色を変え...

音楽歳時記シーズン3「小寒」

年が改まって最初の節季は小寒。年の始まりには愛に溢れた音が聴きたいと思う。穏やかで、心が温まる音。ポジティブで前向きな歌。スティーヴン・スティルスに“愛への讃歌”という邦題をつけられた曲があった。分厚いコーラスやオルガンがどんどんと盛り上がっていく曲。アレサ・フランクリンやアイズレー・ブラザーズをはじめ多くのアフリカ系ミュージシャンにもカヴァーされていた名曲だ。Stephen Stills / Stephen Stills雪の中...

音楽歳時記シーズン3「冬至」

The Gift / Midge Ureミッジ・ユーロの“If I Was”は1985年にUKチャートでNo.1になったヒット曲。当時好んで聴くのはギターがぎゃんぎゃん鳴っているハードなロックやパンク系の攻撃的な音一辺倒だったから、ミッジ・ユーロや彼が在籍していたウルトラヴォックスにはまるで興味もなかったし、彼が曲を書いた“Do They Know It's Christmas”みたいな、みんながんばりましょう的チャリティーなんて中指立ててfxxk you的に大嫌い...

音楽歳時記シーズン3「大雪」

サイモン&ガーファンクルにはなんとなく冬の音楽というイメージがある。それは、このアルバムのジャケットの印象が強いせいかもしれない。マフラーを巻いて分厚いコートを着こんだポールの表情は唇を少し歪め眼差しは遠くどこかシニカルで、対称的にアーティーは真っ直ぐに正面を見据える。ただし口元は見えない。Bridge Over Troubled Water / Simon and Garfunkel静かで叙情的とも言えるテイストの曲が多い印象のせいか、サイモ...

音楽歳時記シーズン3「小雪」

11月22日が小雪。初雪の便りが届き始める頃。いつの間にか街路樹もすっかり赤や黄色に染まっている。昼間はまだましとはいえ、朝晩はダウンが要るようになってきた。また冬が来るんだなぁ。冬はあんまり好きじゃない。ただでさえ血圧が低い僕は、気温が下がると極端に血の巡りが悪くなる。ましてこのところの忙しさがやっと一段落ついて、どっと疲れが出てきた今日この頃。どこへも出かけずに家でゴロゴロしていたい。あったか...

音楽歳時記シーズン3「立冬」

マリア・マッキー、という名前を聞いてピンとくる人はいまやどれぐらいいるのだろう。1985年にデビューしたローン・ジャスティスというバンドの看板ヴォーカリストが彼女だった。ロサンゼルス出身で少し田舎っぽいカントリー風味が持ち味だったローン・ジャスティス。プロデューサーにジミー・アイオヴィンを据えて新興ゲフィンから鳴り物入りのデビューを果たし、Eストリートバンドのリトル・スティーヴンやトム・ペティも曲...

音楽歳時記シーズン3「霜降」

10月23日、霜降。霜降というのは、その名のとおり、霜が降り始める時期、という節季。秋が深まっていく。10月の平均気温って、実は4月よりも高いのですよね。でも、どうしてだろう。4月の18℃よりも10月の18℃のほうが冷たく感じてしまう。春の夕暮れよりも秋の夕暮れのほうが寂しく感じてしまう。なんとなく下っていく、閉じていく、そういう感じがするからだろうか。ただでさえ、また大きな災害があって気が滅入る。...

音楽歳時記シーズン3「寒露」

10月8日、節季は寒露。そろそろ露が降りて、朝晩なんかはひんやりするような季節の始まり、という意味。実際、今週になってやっと暑さが落ち着いてきた。秋は実りの季節。今年の収穫を祝い、神様に感謝を捧げる季節。家族親族単位で狩猟と採集を行って暮らしてきた私たちの祖先が、稲作を暮らしの中心に据えるようになったことからムラが生まれ社会が生まれたわけで、私たちの社会の慣習はすべて稲作と大きな関わりを持っている...

音楽歳時記シーズン3「秋分」

秋分の日。台風も去り、気候もずいぶん落ち着いてきて、あー、やれやれ、という気分。明日からは昼間よりも夜の方が長くなる。気持ちも体も少し落ち着けて、矢継ぎ早に現れる課題を片っ端からこなすのではなく、じっくりと腰をすえてすすめていきたいと思わせてくれる穏やかな秋の夜。こんなときには、音楽も穏やかで落ち着いたものがいい。落ち着いた、というか、安定感のある音。奇をてらわずにオーソドックスな、だけど、確固た...

音楽歳時記シーズン3「白露」

9月8日が白露。白露という節季は少しなじみが薄いけれど、「陰気ようやく重なり、露凝って白し」という意味だそうで、要は、秋がいよいよ本格的となっていく時期、ということ。引き続きいろいろ忙しいけれど、一番エネルギーがかかる部分は越えた、ここから先はキープ、まぁそれはそれでたいへんではあるんだけど、ちょっとほっとした感じ。いやぁ、エネルギー、いったよね。普通、無理じゃない?でも、できないって言いたくない...

音楽歳時記シーズン3「処暑」

8月23日が処暑。夏の暑さが止まる場所という意味の節季。実際、大きな台風が去ったあと、異常な猛暑は少し後退。蒸しっと湿気が高いとはいえ、最高気温32℃とか最低気温25℃なんていう数字を見るとちょっとほっとするね。まだまだ蒸し暑いし、秋の気配とまでは言わないけれど、蝉の啼く声もすっかりおとなしくなったし、夜には秋の虫の声もする。リラックスできる穏やかな音楽でも聴いて、今日はワン・ブレイクとしよう。夏の...

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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