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カラスは飼えるか

日曜日、朝から若いカラスがギャァギャアと鳴き散らかしていて目が覚めた。独り立ちした若いカラスたちの縄張り争いか、それとも繁殖期か。たまたまなんだけど僕が住んでいる町には王族の先祖の墓があることから宮内庁保護管轄になっている大きな森があり、また仕事場近くにも太閤さん縁りの広い森林公園があって、そこをねぐらにしているカラスを目にする機会が多い。カラスって、ゴミを散らかすとか鳴き声がうるさいとか不気味だ...

ゴリラの森、言葉の海

ゴリラの森、言葉の海 / 山極寿一・小川洋子レコードを、いわゆる「ジャケ買い」をしたことはあるけれど、文庫本を「ジャケ買い」した記憶はほとんどない。そんな稀有な「文庫本のジャケ買い」をしてしまったのがこの本。山極寿一さんと小川洋子さんによるゴリラ研究の知見から人間の在り方に思いを巡らせた対談集。山極寿一さんは著作こそ読んだことはないけれど、霊長類の研究者として著名な方だし、小川洋子さんは好きな作家...

聡乃学習

聡乃学習 / 小林聡美「好きな女優は?」と訊かれたら、「小林聡美」と答える。実際のところ、そういうシチュエーションなどほぼないにせよ。高校一年生だったかに観た映画『転校生』に主演していた小林さんの、体当たりともいえるぶっ飛んだ演技ですぐにファンになってしまったのだ。男の子役のときの奔放さと、女の子役のときの不安げな演技のギャップが圧巻だった。美しさや可愛らしさを売りにするのとは少し違う、もっと人間...

ぐるりのこと

主義も思想も価値観も違う相手に、文字通りの水際でどう対処するか。当事者には当事者のいかんともしがたい歴史と事情がある。それはそれでそれぞれの物語だ。利害がぶつかる。まったく理不尽に思える攻撃が加えられる。それでも、結局はこちらに相手の、または相手にこちらの、物語の、胸を開いて分かろうとする姿勢のあるなしが交渉の鍵を握る。本当のかけひきはそこから始まる。相手にも歩み寄ってもらわなければならない。そう...

想像ラジオ

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小川未明童話集

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2021年3月

東日本大震災から10年という節目と、コロナ禍から丸1年という3月。この2つの災厄、さらに原発事故も含めた3つの災厄について考えると、人間というものは自然の原理の前にはあまりにも無力なのだと思ってしまう。人類が数千年に亘って累々と気付きあげてきたものと、自然の営みはまずもって桁が違う。そもそも人類の文明の歴史はたかだか4000年。45億年の地球の時間の中ではほんの一瞬に過ぎないのだし、細胞レベル、遺伝子レベ...

感染症の世界史

冬至も過ぎて、2020年も押し詰まってきました。withコロナの一年。いろいろ大変なことだらけ、未経験のことだらけであたふたしているうちにあっという間に過ぎた感じ。一年が濃すぎて、ちょっと前のことがめちゃくちゃ昔に感じたりする。幸い病気ひとつせずに過ごせた。というか、ひょっっとしたら53年間で一番健康だった一年かもしれない(笑)。うがい・手洗い、大事ですねー。そんな年の暮れに読んでいるのはこういう本。...

美味しい進化

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トリエステの坂道

サバという詩人のことはよく知らない。トリエステという町にも、もちろん行ったことはない。でも、須賀敦子さんの文章を読んでいると、あたかも自分自身が、詩人サバの足跡を求めてトリエステの町をすっかり旅したような気持ちになる。...

もの食う人びと

「ゴミ箱」というのは不思議なシステムだと思う。例えば、食事中に食べ物を床に落としてしまったとする。ほんの一瞬であれば、それを拾って再び口にする、ということは、よほど潔癖な人ではない限り、許される範囲だろう。いわゆる3秒ルール。一方で、一度ゴミ箱に入ってしまった食べ物を再び口にすることは、潔癖を自認しない人ですらまずないだろう。お皿に乗ったまま、一度も食卓や床に触れていないとしても、一度ゴミ箱に入っ...

いとしいたべもの

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溶ける街 透ける路

「地名」が好きだ。土地の名前はなぜだか僕をわくわくさせてくれる。旅行することそのものは大好きというほどでもないのに。まだ幼稚園児だった頃、大阪万博のパンフレットを見ながら「エクアドル」だの「象牙海岸」だの「ブリティッシュ・コロンビア州」だのと知らない国や州の名前や旗を見てわくわくしていた。小学生の頃、課外授業で天気図を書くのが好きだった。ラジオの声にあわせて白地図に印を書き込んでいく。浦河、晴れ、...

世界の起源: 人類を決定づけた地球の歴史

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不時着する流星たち

今日も雨。この7月で雨が降らなかったのは、先週末からの数日くらいではなかったか。体力的には酷暑よりましとはいえ、雨降りは気分を重くする。なんとなくスッキリしなくて、いくら眠ってもまだまだいくらでも眠れそうなくらい眠い。そのくせどれだけ眠っても疲れがとれた気がしない。日照時間が減ると鬱の症状が悪化するとの関連性が指摘されているらしいけれど、だとしたら今年はずいぶんとうつ病が増えたのではないだろうか。...

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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