Marquee Moon / Television Released:1977
鬱鬱とした気分が溜まってきたら、聴きたくなるのがこれ。
逆に言えば、このアルバムがとても気持ちよく聞こえるときの精神状態は、少しやばい。
なんかねぇ、聴いていると、ボロボロ涙がこぼれて来そうになるんですよね。
ん、それってかなり危険?
ある種の医者へ出向けば診断書もらえるかもしれないね。いや、それはあんまり質のよくない冗談。
ちょっと疲れているんだ、長いこと生きてりゃ、ときにはそうやって隙間に挟まってしまうことだってある。
Television:
Tom Verlaine(vo.g)
Richard Lloyd(g)
Fred Smith(b)
Billy Ficca(ds)
歪んだ音で急上昇と急降下を繰り返す
Friction のギター・ソロが気持ちいいんだ。
吐き出すように歌う
Marquee Moon の呪文みたいなフレーズがかっこいいんだ。
神経質でヒリヒリとした声で擦り傷を掻きむしるような切迫感を持った
See No Evil 。
そしてどこかあっけらかんとふっきれたような
Venus 。
テレヴィジョン。
北の空で微かな光を放ちながら輝く北極星みたいに、弱々しくもいつもそこに居てくれる音楽。
まさに
Guiding Light だ。
そして、絶望の中の密やかな決意表明のような
Prove It にまた、涙が止まらなくなる。
このアルバムについては多くを語ることができないな。
ただ、流されるままに、漂うように、トム・ヴァーレインたちの紡ぎ出す、儚くも美しい物語に身を任せていたくなる。
ヘヴィな気分に陥って、ぽっこりと穴にはまってしまったような気分のときには、こう思うようにしている。
流れに逆らって漕いで行こうとするから、無駄に消耗してしまうんだ。
流れに任せろ。
目指した場所を目指す必要なんてどこにもない。たどり着いた場所が目指した場所だと思えばいい。
Elevation や
Torn Curtain のトムとリチャードのギターが、まるで荒波やカモメの鳴き声に聞こえる。
流れに任せろ。
北極星はいつだって、あの場所で弱々しくもいつも光を放っている。
スポンサーサイト
http://goldenblue67.blog106.fc2.com/tb.php/827-4ffc0dc4
トラックバック
これはね、ほんとに完璧な作品だと思います。
このアルバムについてのいろんなレビューを見ていると「パンクとして取り扱われているが、音楽性としてはプログレに近い。」みたいなことがわりと書かれていたりするんですが、そういう人は「パンク=音楽性はない」とでも考えているのでしょうね、何にもわかっちゃいねーなー、と・・・僕は、これこそパンクだと思います。