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♪29年前の年賀状

ようやく年明け一週目の業務終了。
お正月気分など早くもぶっ飛んでしまったけれど、今日はちょっと一息。
今年いただいた年賀状の整理をしていた。
いつの間にか賀状のやりとりもずいぶん少なくはなってしまったし、僕自身も積極的には書かなくなってしまったけれど、もうずいぶんお会いしていない人からの元気な便りはやはり懐かしいし、いつも一緒に仕事をしている人からの賀状にはその人の普段の暮らしが垣間見えてうれしいものです。

そういえば、昨年に実家の片付けをしていたときに発見した年賀状の中に、こんなものがありました。

「あけましておめでとうございます。元気にやっているようですね。
今も大学まで走っているのですか?おおいに大学生活をエンジョイしてくださいね。」

差出人はM氏とあるが、その名前を聞いてもピンと来ない。
???・・・。
なんとなくもやっとした気持ちでもう少し古いのを探ってみると、前の年、つまり高校三年のときにもM氏から年賀状をいただいていた。
その賀状には、おめでとうのあと、こんな言葉が。

「人生にはいろんなことがあります。
失敗もまた、成功のための土台になることがしばしばあります。
あなたの誰からも好かれるすばらしいキャラクターで、がんばって歩んでください。」

え、こんなハガキもらってたっけ?
まるで心当たりがない。
たぶん、若かった僕は、この説教臭さを嫌って無視したのだろうな。
そして思い出した、M氏。高校三年の学年の副担任だった人だ。
ネズミみたいな出っ張った前歯の、物静かでうだつのあがらなそうなあんまりさえないタイプの存在感の薄い先生だった。
いつも寝坊して遅刻すれすれで学校への坂道を慌てて走っていた僕を見つけては、何度も学校まで乗せていってくれたことがあった。(今思えばあの先生も遅刻ギリギリだったんだな。。。)
そうなのか。
いまいちパッとしなくて何もかも中途半端だった僕のことを、そういうふうにちゃんと見守ってくれていた人がいたんだな。
30年経って、今頃気がつきました。
そして、この言葉を素直に受け止めることができる30年後でよかったと思う。
おかげさまでなんとか元気にやっています。
たくさんの失敗は、おっしゃるとおり、いろんな場面で活かされています。
ありがとうございました。

30年経ってやっとわかることもある。
今いろいろと起きていることの中にも、30年経ったときにわかることもきっとあるのだろう。
そう考えると生きるってことは楽しみなことだらけなんだな。


Born in The U.S.A.
Born in The U.S.A. / Bruce Springsteen


真っ白い息を吐きながら学校への坂道を走っていた高三の冬。
いつも頭の中で鳴っていたのはこの曲だった。

BRUCE SPRINGSTEEN 「NO SURRENDER」

Like a solder in the winter night,with a bow to defend
No Retreat,Baby,No Surrender

この曲を聴くと、気持ちは高校三年生の冬に戻ってしまう。
冴えないベッドタウンでのパッとしない毎日の中でもやもやしながら、さっさとこんな場所から抜け出して自由になってやると思っていたあの頃からはずいぶん遠くへ来たけれど、うーん、まだまだこれからだな。
しんどいこともおもしろいことも、まだまだこれから。
次の30年後に僕は、今のことをどう振り返るのだろうか。




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コメント

[C2104]

名盤さん、こんにちは。遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたします。
『ボーン・イン・ザ・U.S.A』、「ノー・サレンダー」「ボビー・ジーン」、一曲飛ばして「グローリー・デイズ」と続くB面が特に大好きでした。
このアルバムは、どうしても高校生の頃がセットで思い出されてしまうので普段はあんまり聴かないのですが、やっぱりかっこいいですよね!
  • 2014-01-12 22:28
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2103]

「ノー・サレンダー」僕も大好きな曲でした。
今も大好きです。
求めてるものは、今も昔も変わらないという事なんでしょうね。
というか、いまだ手に入れられていないという事なんだろうな。

ちなみに僕の通っていた高校にも、校門の前に長い坂がありました。
あれ登るの嫌だった。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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