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♪Your Love Keeps Lifting Me Higher And Higher

本屋さん

4ヶ月ぶりの陸前高田。
津波に流されてしまった町の中心部は今も瓦礫がうずたかく積み上げられ、かつてここに町があり人の暮らしがあったことが想像できない風景が続いているのだけれど、少し離れた気仙川沿いの国道周辺のスーパーやコンビニの仮設店舗が建つエリアを中心に、食堂や100円ショップやクリーニング店がオープンして歳末の賑わいを見せていた。
写真は、先日営業をはじめた本屋さん。
「生活必需品はなんとかなっていたけど、こういうものは車で大船渡まで出なくちゃいけなかったから・・・」と現地のボランティアさんがうれしそうにおっしゃっておられました。
ほんとうに少しずつだけど、被災地は日常生活を取り戻している。
本屋さんのオープンはそのことを象徴しているようで僕もとてもうれしくなりました。


サンタクロースのイベントのことを少し報告します。
このイベントを企画したのは遠野まごころネットというボランティア団体。
全国から支援金とサンタクロースの参加者を募り、23日~25日まで、陸前高田・大船渡・釜石・大槌町の仮設住宅へサンタに扮したボランティアがプレゼントをお届けしようというもの。
僕の勤務先がこのまごころネットを支援していることから急遽参加することになり、お届けするプレゼントを積んだトラックを運転して、ボランティアのサンタさんを数十人乗せたマイクロバスを先導しながら陸前高田中をあっちへこっちへ走り回っていました。サンタの服装だったけど、任務としてはトナカイに近かったかな(笑)。

きっかけは陸前高田で被災した女の子の「お家が流されちゃったけど、今年もサンタさん来てくれるかな。」というつぶやきだったそうだ。
女の子のお母さんは、女の子が気に入っていたおもちゃと絵本を抱えたまま亡くなっていたのだそうです。
悲しい話。
そんな悲しい話が、被災した町にはいくつもいくつもある。
子ども達の顔を見ただけで泣いちゃいそう。

でもね、お会いした皆さんは、もっと明るくたくましかったです。
サンタの扮装をした僕たちを目がけていきなりケリを入れてくるやんちゃな男の子。
渡したプレゼントを「あっちと交換して」とねだる女の子。
僕はむしろ、「そうでなくっちゃ!」と思いました(笑)。


santasantasanta    santa

 santasanta  100サンタ

なかなかみんな楽しそうでしょ。
ボランティアは、自らが楽しめることも大事。
サンタが数十人並んだ光景はなかなか素敵でした。

「にせもののサンタだー!サンタクロースなんていないんだよー。」
なんて叫んでいる男の子もいました。
そうだね、サンタクロースなんて夢物語の話。
でも、サンタクロースは実在するんだよ。
子ども達の健やかな成長を願う気持ちこそが、サンタクロースなんだよ。
なんてことを言ってやったらよかったかな。



さて、今日の音楽。
寒さは一段と強くなって吐いた息が真っ白になるけれど、心はとてもあたたかい。
こんな日にはぽっかぽかのソウルを聴こう。

善意や絆ややさしさやまごころやって言葉でまとめて表現してしまうことにはとても抵抗はあるけれど、ひとつのことを通じて心が通いあうことは、人をとてもやさしくあたたかくする。それは確かだと素直に思う。
そのやさしさやあたたかさがじんわりと広がっていけばいいな。

(Your Love Keeps Lifting Me) Higher And Higher

Higher & Higher
Higher & Higher / Jackie Wilson





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[C898]

Colさん、新年おめでとうございます。
ジャッキー・ウィルソン、やっぱりいいですねぇ。
「ソウルの元祖だ」っていうんで、実は20代の頃にも一度入手したのですが、その頃はこの良さがわからずに「ただのオールディーズやん、、、」って売り飛ばしてしまっていたのですが、ここ数年、やたらこの手の音が心によく響くようになってきました。
新年はジャッキー・ウィルソンみたく晴れやかにいきたいものですね。

[C894] Jackie Wilson

Jackie Wilsonいいなあー
と思いながら、頭に浮かんでたのはVan MorrisonのJackie Wilson Saidでした(涙)
最高のサンタですね
私もこれからもずっと形式問わず力になろうと思います

[C888]

Okadaさん、こんにちは。
そうですね、子どもたちの数だけサンタさんはいます。自分がとても大切な存在だと知ること、そのことを伝えていくことが、大人の一番の仕事かもしれませんね。
  • 2011-12-30 08:12
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C887]

ezeeさん、こんにちは。
ジャッキー・ウィルソン、素敵ですよね。元気がでます。
被災地はまだまだこれからです。せっかく縁があったのでこれからもいろんな形で関わっていきたいと思います。
  • 2011-12-30 08:08
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C886]

え、サンタクロースっていないんですか?
ずっと信じていたのに...。

なんてね。

でも、きっといますよ。
子供の数だけいるんですよね。
腰痛気味のサンタとか。
ちょっと抜け毛を気にしているサンタとか。
夢物語の世界から現実の世界に引越した、名もなきサンタクロースたち。
もしかしたら今年はサンタからのプレゼントを諦めていたかもしれない子供たちに、こんな風にサンタがやってくるなんて、とても素敵ですね。
子供たちにはこんな温かい思い出の積み重ねが大事なんでしょうね。

[C885]

おつかれさまでございます。
寒い被災地でのホッとするお話。Thanksです!
私など地域復興を祈るだけで情けない限りですが笑顔を届けるボランティアって良いですね!
ジャッキー・ウィルソン、ぴったりです!
では、よいお年を~
  • 2011-12-29 01:08
  • ezee
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  • 編集

[C884]

リュウさん、毎度です。
失われてしまったものが戻ることはないのですが、それでも明るく元気を出そうとしている皆さんに、逆に元気をもらってきたような感じです。
ほんと来年は、悲しみよりも笑顔に包まれたいですね。

[C883]

goldenblueさん、おかえりなさい!
悲しみがあちらこちらに、転がっている現状を、つつみ覆う、明るい希望!
そして、それを手助けされる、素敵な活動ですね♪♪
来年は悲しみより、笑顔に包まれた、そんな一年にしたいですね!!
  • 2011-12-28 09:58
  • リュウ
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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