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♪余裕綽々で、誰の意も介さずにぶっとばす

ハイロウズに引き続いてこのところ聴いているのは、ザ・クロマニヨンズ。
湿気のこもった蒸し暑さを吹き飛ばすようにぶっ放す、とてつもなくシンプルな、ただのロックンロール。
いやぁ、かっこいい。とにかくかっこいい。
スコーンと、何もかもぶっとばしてしまうような、潔いロックンロールの塊。

クロマニヨンズについて何か語ろうとすると何故か、出てくるのは「かっこいい」とか「最高だ」とか、そんな失語症的な言葉ばっかりになってしまう。もう少し何かきちんとクロマニヨンズのかっこよさを伝えられる言葉はないものかと思うのだけれど、クロマニヨンズの音楽そのものが言葉でああだこうだと言われることを拒否している気がしてしまうのだ。
ハイロウズよりもさらにゴリゴリにまたパワフルになったリズム隊は、マーシーのシンプルなギターとあわせてロックの楽曲としてのかっこよさを究極に表現しているようだ。そして、よりシンプルに、ある意味不可解で意味からすら解き放たれた感じのする歌詞。
クロマニヨンズについてのいろんなコメントを見ると未だヒロトとマーシーにブルーハーツを期待する声がたくさん聴こえてくるのだけれど、このバンドはもうブルーハーツとは全然次元が違うのだ。意味から解き放たれて、ロックとしての究極のかっこよさだけをとことん追求したバンド。言葉なんてなくったってウォーウォーという叫びだけでコミュニケーションを成り立たせていた原始人のように…クロマニヨンズというバンド名にはそんなイメージが込められているような気がする。

FIRE AGE (通常盤)
FIRE AGE

ザ・クロマニヨンズ

“エイトビート”
“スピードとナイフ”


さて、日本代表。決勝トーナメント進出、16強へ。
デンマーク戦、想像した以上にものすごくしっかりした試合をしてましたね。
この金・土・日とどこのニュースを見ても本田・遠藤のFKのシーン。あれだけ見てたらまるで圧勝だけれど決してそんなことはなかった。ただ、本当に落ち着いていて、やるべきことを個々人がきちんと把握した、地に足の付いたプレイが出来ていたと思う。前半最初ではボコボコにデンマークにすき間をつかれて攻め込まれていたけれど、体を寄せて食らいついて交わしていたし、後半に1点返されてからも慌てずしっかり守ってカウンターで貪欲に狙いに行っていたし。その姿勢はとてもたくましく思えた。
“ドーハの悲劇”から16年、あの土壇場での慌てっぷりからはもう想像できないくらいの強いメンタリティ。「チャンスは準備された心にだけ降り立つ」というのは誰の言葉だったっけ、いざというときにきっちりと自分の能力をフルに出すことが出来るのは、そのための準備があればこそなのだ。最初から勝つつもりの心の準備がなければ絶対できないことだった。

しかし、世の中の評価なんて、ほんといい加減なもの。
結果が出だした途端の日本代表への絶賛の嵐には、さすがにちょっと違和感を感じてしまう。
「3連敗確実。盛り上がらないワールドカップ」なんて言っていた連中が「大会前のテストマッチ4連敗はチームを今の状態へ導くための作戦だった」なんて(笑)そりゃいくらなんでも掌返しすぎだろう。
目指したサッカーがうまく機能しない中での苦肉の策的なシステム変更が上手い具合にずっぱまった。危機感を持ったメンバーが「もうやれるだけやるしかない」と開き直った結果、チームがひとつにまとまり、試合を重ねるごとに自信をつけていった。それは決して意図してできることではないミラクルで、そんなミラクルが目の前で今起きている。そんな瞬間に立ち会うことが出来る。批判も絶賛もとりあえずは横に置いといて、そのことを楽しみたい。
だから、どうか気負わずに、練習試合のつもりくらいで余裕持って戦ってほしい。そして、掌返したように浴びせられる賛辞に惑わされないでほしい。「自分たちはそれなりに強いんじゃないか」なんて勘違いしたり、「国民の皆さんが新しい歴史を作った俺たちにもっと上を期待しているんだ」なんて気負ったりした途端に、きっととんでもなく無様なことになってしまうような気がするのだ。
見せてほしいのは、自分たちのための、自分たちにしかできないプレイ。
余裕綽々で、誰の意も介さずにぶっとばす、クロマニヨンズのロックンロールみたいなプレイを。



そろそろだ 出撃だ
掛け布団ふっとんだ
誰のせいじゃない
誰のためじゃない

砂場で拾った翼をつけて
助走をつけたら
靴が風になる
レッツ・ゴー宇宙
    
(レッツ・ゴー宇宙)




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[C49] Re:運命のPK戦

まりさん、こんばんは。
残念でしたね。互角以上に戦っていただけに惜しかったです。このチームの次の試合が見たかった!

[C48] 運命のPK戦

昨日の負けは限りなく勝ちに近いので、なかなかスッパリとは負けたという気持ちにはならないですね。
こんな気分の時にどんなカクテルを飲めばスッキリするんでしょ!?

とりあえず実力はパラグアイが勝っていたと納得する意外にはありません。

あとは良くやったサムライジャパンに拍手ですね!!
  • 2010-06-30 17:42
  • まり
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  • 編集

[C47] Re:

リュウさん、こんばんは。
いよいよ今晩ですね。パラグアイ、手強いでしょうね。ちょっとやそっとじゃ適わないだろうなぁ。なんとか先制点を取られなければ。例えば延長までいって最後PKで、とかならなんとかなるのかも(苦笑)。まぁ勝ち負けよりもいいファイトを期待してます。
  • 2010-06-29 20:44
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C46]

いよいよ日本戦ですね!岡田バッシングの手のひら返しにはほとほと呆れてます(苦笑)
戦争に向かったメンタリティとなんら変わらないという・・・。

暗い話は置いておいて、中田以来の生意気キャラの本田は、Jの頃から好きでした。
あれくらいじゃないと務まらないですからね!

そんな彼にも景気付けにご機嫌な音楽を渡したいので、クロマニヨンズはピッタリですね♪

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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