FC2ブログ

Entries

♪HITS!

album-hits.jpg
Hits! / Boz Scaggs

Lowdown
You Make It So Hard (To Say No)
Miss Sun
Lido Shuffle
We're All Alone
Breakdown Dead Ahead
Look What You've Done To Me
Jojo
Dinah Flo
You Can Have Me Anytime

これは、初めて聴いた当時は、その後に自分が好きになるとは思いもしなかった一枚。
というのも、80年代バブル前夜、ボズ・スキャッグスは軽薄を地で行く女子大生たちのおしゃれアイテムだったからだ。
つまり、パンクとブルースを愛する清貧な十代からすれば明らかに敵。忌み嫌うべき対象だったのだ(笑)。

でもね、やっぱりかっこいいんですよ。
もちろんダンディーに決めたボズ・スキャッグスも渋いんだけど、リズム隊がめちゃくちゃかっこいいんです。
“Low Down”や“Lido Shuffle”みたいにファンキーでアッパーなのはもちろん、スロウ・ナンバーでもビシバシ決まるタイトなリズム。“Dinah Flo”のぐいぐいとどこまでも昇っていくようなグルーヴ。あと“You Make It So Hard”とか、ホーンやコーラスもソウルフルでいいなー。
そのリズム隊の中心は今は亡きジェフ・ポーカロ。ベースはデヴィッド・ハンゲイト、ギターはスティーヴ・ルカサー、フレッド・タケット、ジェイ・グレイドン、レイ・パーカー・Jrといった名うての面々。ぶいんぶいんとうねりながら目立たないけどしっかりとグルーヴを生み出すベースと、チャカチャカした16のカッティングを中心にきっちりとしたリズムを作るギター、で、タイトな上になんかものすごいオカズを何気に決めるドラム。それぞれに独特の色気を作り出している。
見た目も歌も実際のところは結構泥臭い系のボズ・スキャッグスがおしゃれアイテムとして機能したのは、一見おしゃれに見えるピアノやサックスやストリングスではなくって実はこのリズム隊の生み出す色気だったんだということが今ならよくわかる。

色気ってのは、結局のところは人間くささでもあるんですよね。意地も見栄も弱味も快楽もぜーんぶひっくるめての生きている価値、みたいなものを素直に表せば、それが色気になる、みたいな。
それは結構、パンクやブルースと相通じるものがある、とまでは言い過ぎだけど、その辺のロックごっこバンドよりもよっぽど骨のあるロックな音ではないかとこの頃はそう思うんですよね。

夏へと向かう5月にはこういう音楽がよく似合う。こんな季節にはうちにこもったへヴィーな音よりも、こういう感じでオープンにいきたいねー、なんて素直に思うのです。
年食うと頑固になりがちだからね(笑)、ふつーに素直にを目指したいな。
こういうオープンな音楽は、薄暗い心の扉を開いてくれる。けっこう大事なことだ。
サンキュー、ミスター・ボズ。



スポンサーサイト



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://goldenblue67.blog106.fc2.com/tb.php/1076-38890973

トラックバック

コメント

[C2847]

yuccalinaさん、こんにちは。
敵性音楽(笑)、まさにそんな感じでしょうか。
結局は、アレンジのキラキラしたところとか、ロマンチックな曲調とか、そういうところしか聞こえていなかったんでしょうね。
その裏にある深いところが聞こえるようになったのは、いろいろ経験を経たことによるものでしょうか。
  • 2016-06-05 14:42
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2846]

こんにちは。
私もかつては、オサレ女子大生が聴いてる敵性音楽(笑)、と軽んじていましたよ。
彼もマッスルショールズ出身の、ブルーズの人だったんた、とバラカンさんのラジオで知ったのは、結構最近のことです。
  • 2016-06-04 09:03
  • yuccalina
  • URL
  • 編集

[C2841]

deacon_blueさん、こんばんは。
そうですね、2013年のブルース/R&Bのカバー・アルバムも良い出来だったみたいですし、そもそもボズさんはブルース/R&Bの人ですよね。
むしろ不思議なのは、そんなアーティストがあんなにもお洒落アイテムとして機能したことです。ま、サザンなんかもそうなんでしょうけど。
  • 2016-05-26 22:23
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2840] 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

Profile

golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

Calendar

10 | 2020/11 | 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

Gallery

Monthly Archives