5月っぽい歌って何があったっけ?確か“First of May”って曲があったっけ。ビージーズだな。 映画「小さな恋のメロディー」の挿入曲だったそうだ。 美しい曲だけど、うーん、この曲は少し上の世代の大切な曲というイメージがあって、自分には上手く語れそうにない。 ビージーズといえば、自分にとっては“First of May”や“Melody Fair”よりもこの曲かな。
How Deep Is Your Love / Bee Gees
僕が育った家は、日常的に音楽がある環境ではなかった。 テレビよりはラジオをつけていることが多かった。 地方AMなのでおしゃべりがほとんどで、たまにリクエスト曲がかかる程度だったけど、ごく稀に洋楽のヒット曲が流れてくることもあった。 そういう曲の中で、うっすらと記憶に残っているのが、カーペンターズの“Yesterday Once More”とビージーズの“How Deep Is Your Love”だった。 いや、正確には、だったような気がする、という感じだけど。 もちろん当時、アーティスト名も知らないし曲のタイトルも覚えてなんかいない。 高校生くらいになってから「あぁ、この曲はうっすらと聞き覚えがある」と思い出した程度のことだし、その記憶すら本当だったか曖昧なくらいだ。 ただ、この曲を聴いたときの、うっすらと甘くなんともふわふわとした感じの不思議な気分だけをぼんやりと覚えている。
今、調べてみたら、“How Deep Is Your Love”がヒットしたのは1977年なんだそうだ。 10歳。小学校4年生の頃だったのか。 異性を異性として意識しだしたり、自尊心が芽生えだしたり自分の他者からの評価が気になりだしたり、そういう年頃だね。 自分が世界の中心だとしか認識していない年頃から、どうやら自分の周りには広い世界があって自分は世界の中心ではないと知るような年頃に、そういう認識を促すツールのひとつとして海外のヒット曲というものが作用したのかも知れない。
■このカップリングは、パティ・ペイジの1950年のヒット“I Don't Care if the Sun Don't Shine”だった。 原曲のパティ・ペイジのバージョンは、当時白人層に好まれたであろうポップス風で、エルヴィスのカバーには「もしみなさんが大好きなポップスを黒人が歌ったら」的なチャレンジだったのだと思う。
The Ravensは、1946年にジミー・リックス(James Thomas Ricks, 1924年8月6日 – July 2, 1974年7月2日)とウォーレン・サトルズ(Warren "Birdland" Suttles、1925年2月20日 –2009年7月24日)らにによって結成されたヴォーカル・グループ。 その時代で最も成功し、最も影響力のあるボーカル・カルテットの1つであり、1940年代後半から1950年代初頭にかけてR&Bチャートでヒットを連発した。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。